初等数学史79

 プラトンは、数の研究では、ロジスティックより算術に興味を持っていました。「国家」の中で、学問(科学)は、軍事的にも哲学的にも役立つと言っています。

 プラトンが特に興味を持っていたのは、数の神秘主義でした。「国家」第三書に、ある神秘的な数について述べています。しかし、その数が何であるかは明らかにしていません。後の著述家たちは、プラトンの言っていることを正確に理解しようとしました。一つの説は、60の4乗、すなわち 12,960,000がプラトンの数だというものです。この数字は、ヒンドゥー教やバビロニア人の神秘主義では重要な役割を果たしており、ピタゴラスがもし本当にバビロニアで学んだのなら、それをクロトナに持ち帰り、弟子たちに伝え、続いてプラトンとその弟子たちに伝えたという可能性があります。

 プラトンは、また、先立つどの人たちよりも、幾何学の学問的可能性を認めていました。その教えによって、プラトンは学問の基礎を固め、正確な定義、明確な仮定、そして論理的証明を行うことを主張しました。プラトンは、幾何学に技術や機械に直接役立つものだけしか見なかったマテリアリストに反対し、プルタルコスによれば、それは「幾何学の単なる堕落であり、消滅である。」と言っています。こうした見解をプラトンが持っていたとしても、決して不思議ではありません。世界の思想家たちは常にそれを持っていましたし、実用の目的だけに数学の理論を作り上げたわけではないのです。

 

難読漢字98

「蜩(ヒグラシ)」「木槿(ムクゲ)」「凋む(シボム)」「法師蝉 (ツクツクホウシ)」「刀豆(ナタマメ)」

 今回も、稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』(三省堂)から「秋、九月」 です。

「芒―野原至るところに生える。その穂を尾花ともいい、秋の七草の一つ である。
  山は暮れて野は黄昏の芒かな    蕪村」

「蚯蚓鳴く―夜間あるいは雨の日などに、ジーッと細く長く切れ目なく鳴く のを昔から蚯蚓が鳴くといったが、実際は蚯蚓には発声器がないから鳴くは ずがない。それは螻蛄の声であろうということになっているが、架空にして も蚯蚓が鳴くという方が詩情がある。
 三味線をひくも淋しや蚯蚓なく  高浜虚子」

「谷戸深くどこの家にも芋莖干し  辻 萍花」
「荷船にも釣る人ありて鯊の潮   高浜虚子」

から「芒」「蚯蚓」「螻蛄」「芋莖」「鯊」を取り上げます。

やさしくない英語94

『 I made my first landing on soft ground near a group of red rocks. As soon as I had tested the atmosphere, I stepped out and began to look around. In front of me there were large plants, on which grew a kind of fruit like none that I had ever seen before. On my left, not far away, the ground rose gently to some low hills. On my right and behind me the ground was level, stretching away into the distance. It was an impressive but monotonous landscape...』

 今回も『The New Cambridge English Course 4』の「Extracts from the report of Zargon,a space explorer, written in the year 2050」からです。

 単語いきましょう。atmosphere=大気、monotonous=単調な、ぐらいでいいですか。

 訳しましょう。

 「私は、赤い岩石の集まっている近くの柔らかな地面に初めて着陸した。大気の調査をするとすぐに、外に出て辺りを見回し始めた。私の前には、大きな植物があり、それにはこれまでに見たこともないような、一種の果実が実っていた。左手は、遠くないところから、地面が緩やかに上がって低い丘になっていた。右手と私の後ろは平らになっていて、ずっと遠くまで広がっていた。それは、印象的ではあるが単調な風景であった。」

 

 

 

 

  
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