Boston



飛行機で成田から約13時間。Massachusetts州Bostonの
空港LoganInternationalAirportに到着する。今回私はNJ州Newarkで途中下車し、友人の住むRidgewoodへ向かった。Newarkの空港はここから南米やヨーロッパ、ニューヨーク、ボストンに向かう人々で賑わう国際空港でもある。ここで入国を済ませる人々が多い為広々とした内部と共に警官も多くあちこちに物々しい雰囲気が漂う。商社のご主人と共に転勤して1年になる私の友人はまだまだNewark近辺の土地勘が無い為私はRidgewoodという所まで自力で行く事になった。丁度飛行機の中で知り合った日本人がRidgewoodの少し手前に住んでいるというので私はそのままその日本人の後を付いて行く事にした。その上Greencardまで持っているAmerica在住ベテランと分かり私の不安は一挙に解決したのである。「いいですよ。送って行ってあげますよ」と言う言葉にラッキーとばかりに異国での最初の日本人の親切に遭遇する。空港ではその日本人の奥さんと子供が迎えに来ていて、私が事情を説明すると快く引き受けて下さりそのご家族の車に同乗する事となった。こちらに住む日本人は長く住んでいれば居る程、実に「にっぽん人」的で国内にいるどの日本人よりも日本人だなどと何時も思うのだ が、その人たちも矢張り素朴な「にっぽん人」で同乗している子供だけが矢鱈とNativeなのが印象的であった。

StationRidgwoodNJ

Ridgewoodの駅まで送ってくれた日本人とお別れし、友人にTelすると「どうしたの?何処に居るの?」と心配した様子で「いいからそこにいて」「すぐに迎えに行くから」と言うとTelが切れた。あたりはもうPm8:00になろうとしているのにまだ空は明るく、私はRidgewood周辺を見回しながら友人との再開を心待ちにしていた。暫く駅で待っていると1台のOutdoor系の車が近づいて来て友人が「やっと会えたね」良かった、良かった、とばかりに車から降りて「さ、さ、車に乗って」そう言うと私を車に乗せた。そんなこんなで友人の車に乗りRidgewoodの街をウネウネと慣れたドライブ捌きで住宅街の白い家に到着した。

Ridgewoodという街はNewjerseyのNewarkから車で30分、Manhattanからは15分位の所に有り治安の良い住宅街である。あたり一面、緑に覆われ広い道路とゆったりとした庭の奥に家が有るといったAmericaならではの佇まい。日本では余程の地方にでも行かない限りこんなにゆったりとした気分で家に入る事は無い。その上、気候が爽やかでどの家もどの家も白くAmericaの明るさを反映している。この友人宅は実に快適で、また彼女のお料理の巧さにも関心しながら長い長い日本からの疲れを癒す事となった。

家の中はKitchenを中心に横に立体的な作りとなっていて、LaundryroomやBasementが有り、とても機能的だ。そしてどの家にもBackyardが有り、大きな木に緑が青々と繁げっている。時折りリスがやって来て我々にその愛らしい姿を見せてくれる。こんな自然の中で食事が出来て毎日の生活を送れるなんて本当に羨ましい。

Backyardで食べる「しそ入りクリームチーズ」の黒パンサンドイッチとCoffeeは格別。
友人宅のご近所。何処まで行っても道は広く木々の幹は太く緑豊か。

PennStationからAmtrakでBostonへ向かう為Manhattanを訪れた。ここは実に活気が有り、全ての物が何でも手に入りそうな夢もスリルも併せ持った街。以前訪れた時よりもとても奇麗になっていて怪しい店々はすっかりと姿を消していた。少し遠回りだったがGrandCentralTerminalを通ってMadison Sq. Garden に辿り着く。ここの地下がPennStationになっているのだが、さて、AmtrakのTicketをどうやって買っていいのか、、、。またまた近くの人に聞き込みを始める事となった。AmtrakはAmerica鉄道旅客輸送公社NationalRailPassengerCorporation(NRPC)のトレードネームでAmericaの長距離旅客輸送を一手に引き受けている列車である。各私鉄の路線を借りてその車両を走らせている広大な大陸鉄道だが、何せ日本の25倍の面積を持つAmericaだから大地を這って旅をするのも悪くはない。

因みに飛行機でBostonまでは50分位で着く距離であるが、このAmtrakを使うと何と5時間もかかる。(とその時そう思っていた)私はこのゆったりとした時間を楽しむAmtrakの旅を選んだ。 InformationCenterでTicketの購入方法を聞きそのLineの最後に並ぶ事にした。Amtrakにも沢山の種類が有り、寝台車等は予約が必要のようだがBostonやWashingtonなどの近隣の都市に行くAmtrakは一日に何本か出ていて予約無しでも購入出来るのだ。それに各列車にはそれぞれ名前が付いていて何だかそれぞれの列車に愛着を持ってしまいそうな気分である。因みに私が乗ったAmtrakの名前は「Yankee Clipper」。

Ticket代金は$47と日本の乗り物に比べれば全然安い。乗る時のホームはどうかと言えばこれが列車がホームに入って来るまでは何処の何番のホームに入るのかが全く分からない。日本では考えられない事だがこちらでは当たり前。全てがゆったりと焦らず進行される。だから、乗る人達はだいたい乗る時間が近づいて来たらパネルプレートの下に集まって来て「何番の窓口へどうぞ」と言うアナウンスとNext available agency is No....という表示を見てホームに降りて行くのである。それに10分、20分遅れるのは当たり前。ホームの番号が分かると自由席は皆一斉にホームへと集まり地下2階へ移動するのである
何処まで行っても広大なAmerica。こちらへ来ると日の沈むのも、時間の進み具合も全てがゆっくりと地球サイズで動いている様に感じられる。Amtrakの中は然程奇麗ではないが色々な人達が車内での時間を楽しんでいる。売店でジュースとパンやハンバーガーを買うとそれを小さなダンボールの箱の中に入れてくれる。学生、旅行者、ビジネスマン、その他色々な人達が列車の移動時間を楽しんでいる。車掌さんは2人。こちらではバスの運転手さんや車掌さんは殆どが女性で、それほどめずらしくはない。この「Yankee Clipper」にも黒人の強そうな女車掌さんが各車両を仕切っていた。

次の駅のアナウンス(それも超早口)が終わると車両中を駆け回ってそれぞれ降りる人に知らせてくれるのである。Ticketは各シートの上に挟む所があって、移動する時もそのTicketを持って行くのである。豆にお世話してくれて実に頼もしい限りである。ただ、どの乗り物もそうだったが車内がやたらとエアコンがききすぎていて私のように終点まで乗る人は毛布の一つも持参したいところ。隣に座っていた人はシーツを持っていた。それに大きな都市以外の駅は駅が何処に有るかも分からない程小さなものでホームの無い所もある。昔丁度映画で見たシーンのようだ。こんなにだだっ広い所に降りて一体何処へ行くのだろうと心配するのだが、しかし、何処とは無しに消えて行くのには驚いた。


やっと日が沈む。しかし、なかなか太陽が地平線上に無くならない。NYを出発して早5時間。一向にBostonは見えて来ない。頼もしい女車掌さんに「Bostonへは何時頃着くの?」と聞くと「決まってないよ。でもそう遠くはないよ」との返事。それもそのはず。停止した駅で乗客と共に20分から30分位駅に出て休んでいるのだ。「さぁ、日が暮れないうちにBostonへ行くかぁ」ってな感じだ。ゆったり、のんびりは良いがこのエアコンの寒さは何とかしてくれ。早くBostonに着かなければ私はこのAmtrakの中で凍死してしまうぞ。すっかり冷えきった頃、前方にBuildingの林が目に入って来た。あたりはもうすっかり暗くなっていた。「おぉ、Bostonだぁ!!」

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