ホームページの効果



◆私のホームページ歴

 初めてホームページを作ったのは6年前のこと、ブロバイダーの用意したテンプレートにテキストを埋め込むだけの簡単なものだった。それでもホームページを持ったことが嬉しくて名刺にURLを載せて得意がっていた。それから2年後、ネットサーフで出会う同業者のホームページのデザインの素晴らしさやコンテンツの豊富さに刺激され、自作のホームページ作りを決意。この時、本屋で手にしたのがWordで作るホームページの解説本であったため、ホームページ作成ソフトを購入する事無く、CD付きの素材集を購入しただけで、ホームページリニューアルをしてしまった。その後、ページデザイン上、Wordでの作成に限界を感じ、ホームページビルダーを購入したが、ページデザインの質は大して向上しなかった。デザインはソフトでは無くセンスで決まるものだったのである。

◆ホームページを作った目的は
 私がホームページを作った当初の目的は
 1.仕事のスケジュールを公開しすることで客先に手持ち業務の状況を知ってもらい
  業務発注時期を考慮してもらう (このころ仕事が多かった)
 2.自己をアピールする事により、新たな顧客の確保
   (もっと、いい仕事をくれる顧客が欲しかった)
 3.暇つぶし
   (仕事が切れた時の退屈しのぎになる)
 と言ったところであった。ITの進展の中、ホームページを持つことがステータスシンボルのごとく思われ、取引先だけでなく、ネット上で見つけたコンサルさんにもメールを送ってURLを伝えたのだが・・・

◆目的は達成出来たか
 1.スケジュール公開の効果
  スケジュールのページは客先の担当者も見てくれていたようだったが、手持ちの仕事がいっぱいになり、これ以上出来ないような状況のとき、スケジュールのページにその旨を表示してあっても、困ったときには強引な「お助け業務」の依頼電話がかかってくる。一方、仕事が切れてしまったとき、業務依頼の文字を強調しておいても、見て見ぬフルをしているのか、何の連絡もない。そもそも、客先に自分の都合に合わせてもらおうというのが甘い考えであったのだが、このページの効果は皆無であった。
 2.新しい顧客の確保
   ホームページを見たことによる仕事の依頼としては
 ○某メーカーからの業務提携依頼
  環境関連のメーカーから、設計施工で受注した場合に土木工事の設計をコンサルに頼むと高いので、個人事務所と業務提携したい、との問い合わせがあった。今後、発展性のある分野なので喜んでOKしたが、具体的な話は物件が出てからといことでその場は終わり、未だ何の連絡もない。あれは冷やかしだったのだろうか?
 ○同業者から構造計算の依頼
  ホームページを見たらフレームのソフトをもっているようだから、これを使った計算をして欲しいと、同業者らしき方より問い合わせがあった。そのころちょうど手持ちの業務に追われており時間に余裕が無かったため断ったが、所有するソフトを載せておいたのは役に立ったようである。もっとも、自分の持っているソフトぐらいはコンサルさんは皆持っていると思うので、コンサルさんに対しては効果は無いかも知れない。
 ○測量設計会社からの問い合わせ
  近隣地の測量設計の会社からホームページを見たといって電話がかかって来たことがあった。「近くにこんなヤツがいたのか」と言った趣旨の話で、「うちの仕事もしてくれるか?」というので、業務量が減少していた折り、喜んでOKの返事をしたのだが、地方の測量設計会社への設計業務の発注は激減しており、この会社からの業務依頼はその後一度も無かった。
 3.暇つぶし
 これについては、十分効果を発揮した。手持ちの仕事が止まってしまったときなど、一日中PCに向かってネットサーフをしていても大概に飽きてしまう。かといって、外に遊びに出かけるわけにも行かない。そんな時、ホームページの更新ネタを考えて、頭をひねっていれば、事務所にいながら時間をつぶすことが出来た。当初の目的が達成出来たのはこれだけのようだ。

◆ホームページの効果は無かったのか
 ホームページに掛けた期待は、殆ど叶えられなかったが、全く無駄であった訳でもない。ホームページを持ったお陰で「一お連」と言う形で全国の同業者と知り合いになり、仕事を続ける上での精神的な支えを受けてきた。また、コンサルさんで初めての担当者と打ち合わせをするときなど「ホームページ見ましたよ」と言われると、あえて自己紹介的な挨拶をする必要もなく、相手もこちらの事が分かっているので、親しみを持って接してくれるというメリットもあった。
 名刺は名前と住所、電話番号等、事務的な要素しか伝達出来ないが、ホームページはURLを知らせるだけで、自身の能力、主義・主張、仕事に対する取り組み方等を様々な手法で表現し、伝える事が可能である。顧客の信頼が前提となる我々のような業種の場合、信頼確保のためのデーターを提供する事は重要な事であり、ホームページはこの意味で、新しい形の名刺として役に立つかもしれない。

◆ホームページの今後は
 ホームページを持っていても営業的に大した効果の無いことは過去の時間が立証してくれている。しかし、暇つぶしと自己顕示欲を満たす手段としてはかなり役に立つ代物である。今後もこのホームページの更新は続けていきたいと思っているが、継続するためには「小久保設計」が継続しなければならない。このことが大きな課題であり、問題であえる。