施工計画
                   

 最近の農業土木工事は市街地や宅地に近接した狭小な場所での施工が多くなっており、設計段階において、施工スペースを考慮した施工機械の選定及び周辺への影響に配慮した施工方法の検討などが要求されるようになっている。ここでは、設計段階で施工計画を行う上での必要な諸元を整理する。

 ・施工機械別施工スペース
 ・運搬車両より決まる工事用道路幅
 ・ダンプトラックが入れない場合の運搬車
 ・工種別施工必要幅
 ・矢板打込工法と最大N値
 ・矢板型別最大施工可能長さ
 ・矢板打設工法選定
 ・排水量と使用ポンプ
 ・機種選定
   掘削・積込・運土作業
   敷均し作業
   埋戻し
 ・掘削作業半径及び掘削深

 バックホウ寸法
  ミニバックホウ寸法
  キャリアダンプ寸法 
  クレーン寸法・性能表
  クレーン寸法・性能表

施工機械別施工スペース 
機 種 規 格 機械幅
(m)
余裕幅
(m)

(m)
決定幅
(m)
バックホウ 平積0.6m3 3.0 0.5×2 4.0 4.0
平積0.35m3 2.5 0.5×2 3.5 3.5
平積0.20m3 2.0 0.5×2 3.0 3.0
平積0.10m3 1.5 0.5×2 2.5 2.5
平積0.03m3 1.0 0.5×2 2.0 2.0
トラッククレーン 4.8〜11t 4.5 0.5×2 5.5 5.5
15〜16t 5.1 0.5×2 6.1 6.5
20〜25t 6.1 0.5×2 7.1 7.5
ラフテレーンクレーン 4.8〜11t 4.5 0.5×2 5.5 5.5
15〜16t 5.1 0.5×2 6.1 6.5
20〜22t 6.0 0.5×2 7.0 7.0
25t 6.3 0.5×2 7.3 7.5
50t 7.4 8.4 8.5
クローラクレーン 50t 4.35 0.5×2 5.4 5.5
65t 4.66 0.5×2 5.7 6.0

 
運搬車両より決まる工事用道路幅
機 種 規 格 機械幅
(m)
余裕幅
(m)
路肩幅
(m)

(m)
決定幅
(m)
ダンプトラック 2t 1.7 0.3×2 0.5×2 3.3 3.5
4t 2.2 0.3×2 0.5×2 3.8 4.0
6t以上 2.5 0.3×2 0.5×2 4.1 4.5

ダンプトラックが入れない場合の運搬車  
機 種 規 格 機械幅
(m)
余裕幅
(m)
路肩幅
(m)

(m)
決定幅
(m)
キャリアダンプ 0.6t 0.8 0.3×2   1.4 1.5
0.99t 0.95 0.3×2   1.55 1.6
2.5t 1.65 0.3×2   2.25 1.6
3.5t 2.00 0.3×2   2.6 3.0

工種別施工必要幅
作業条件 規格 使用機械 必要幅員
(m)
掘削 床堀 平均掘削幅2.0m以上 バックホウクローラ型山積0.8m3(平積0.6m3) 4.0
平均掘削幅2.0m未満 バックホウクローラ型山積0.45m3(平積0.35m3) 3.5
管布設 塩ビ管 φ200〜φ600 バックホウ(クレーン機能付き)
バックホウクローラ型山積0.45m3(平積0.35m3)
2.9t吊
3.5
強化プラスチック複合管(4m管) φ200〜φ1100 (素堀) バックホウ(クレーン機能付き)
バックホウクローラ型山積0.8m3(平積0.45m3)
2.9t吊
4.0
φ200〜φ1100(建込簡易土留) トラッククレーン(油圧伸縮ジブ型)
4.9t吊
5.5
φ1200〜φ1650 トラッククレーン(油圧伸縮ジブ型)
4.9t吊
5.5
φ1800〜φ3000 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
25t吊
7.5
強化プラスチック複合管(6m管) φ450〜φ1100 バックホウ(クレーン機能付き)
バックホウクローラ型山積0.8m3(平積0.45m3)
2.9t吊
4.0
φ1200〜φ1350 トラッククレーン(油圧伸縮ジブ型)
4.9t吊
5.5
φ1500〜φ2000 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
25t吊
7.5
ダクタイル鋳鉄管 φ150〜φ500 (素堀) バックホウ(クレーン機能付き)
バックホウクローラ型山積0.8m3(平積0.45m3)
2.9t吊
4.0
φ150〜φ500(建込簡易土留) トラッククレーン(油圧伸縮ジブ型)
4.9t吊
5.5
φ600〜φ700(1〜2.5種) トラッククレーン(油圧伸縮ジブ型)
4.9t吊
5.5
φ600〜φ800(3〜4.5種)
φ600〜φ800(3〜5種)
〜φ2000(4m) ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
25t吊
7.5
鋼管(4.0m管・標準管厚) φ80〜φ1350 トラッククレーン(油圧伸縮ジブ型)
4.9t吊
5.5
φ1500〜φ2400 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
16t吊
6.5
φ2500〜φ3000 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
25t吊
7.5
鋼管(6.0m管・標準管厚) φ80〜φ1100 トラッククレーン(油圧伸縮ジブ型)
4.9t吊
5.5
φ1200〜φ1900 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
16t吊
6.5
φ2000〜φ3000 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
25t吊
7.5
制水弁据付 仕切弁 φ250〜φ450 バックホウ(クレーン機能付き)
バックホウクローラ型山積0.45m3(平積0.35m3)
2.9t吊
3.5
φ500〜φ1000 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
25t吊
7.5
バタフライ弁(フランジ型) φ250〜φ600 バックホウ(クレーン機能付き)
バックホウクローラ型山積0.45m3(平積0.35m3)
2.9t吊
3.5
φ700〜φ1500 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
25t吊
7.5
バタフライ弁(フランジレス型) φ250〜φ1000 バックホウ(クレーン機能付き)
バックホウクローラ型山積0.45m3(平積0.35m3)
2.9t吊
3.5
フルーム類据付 鉄筋コンクリート柵渠 0.16〜2.00m2以下 バックホウ(クレーン機能付き)
バックホウクローラ型山積0.45m3(平積0.35m3)
2.9t吊
3.5
2.00〜3.60m2以下 トラッククレーン(油圧伸縮ジブ型)
4.9t吊
5.5
鉄筋コンクリート大型水路 1450〜1500kg/個 トラッククレーン(油圧伸縮ジブ型)
4.9t吊
5.5
1500〜7000kg/個 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
20t吊
7.0
ボックスカルバート 内空高2.5m以下 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
25t吊
7.5
内空高2.5m超 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
45t吊
8.5
水路用鉄筋コンクリートL形 80超え1,500以下 トラッククレーン(油圧伸縮ジブ型)
4.9t吊
5.5
1,500超え4,000以下 ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
20t吊
7.0
矢板打込・引抜き バイブロハンマー打込み    クローラクレーン
油圧駆動式ウインチ・ラチスジブ型
50〜55t吊
5.5
バイブロハンマー引抜き    ラフテレーンクレーン(油圧伸縮ジブ型)
25t吊
7.5
アースオーガ併用圧入    アースオーガ併用圧入杭打機
油圧圧入    油圧圧入引き抜機
ラフテレーンクレーン 25t


矢板打込工法と最大N値

工 法 規 格 N値
25 50 65 180
バイブロハンマ バイブロハンマ単独施工    
ウォータージェット併用施工
アースオーガー併用圧入工 油圧式オーガー    
電動式オーガー  
油圧圧入工 圧入単独      
ウォータージェット併用    


矢板型別最大施工可能長さ
施工方法 普通 広幅 広幅
(ハット形)
V型 W型 XL型 Uw型 Vw型 Ww型 10H型 25H型
バイブロハンマ                
 バイブロハンマン単独施工 19以下 25以下 25以下 15以下 19以下 25以下 15以下 19以下
 ウォータージェット併用施工 19以下 25以下 25以下 15以下 19以下 25以下 15以下 19以下
アースオーガー併用圧入工                
 油圧式オーガー 20m以下 20m以下 20m以下          
 電動式オーガー 20m以下 20m以下 20m以下          
油圧圧入工                
 圧入単独 15以下 20以下 25以下 12以下 25以下 25以下    
 ウォータージェット併用 18以下 20以下 25以下 14以下 25以下 25以下    


矢板打設工法選定
事業主体 打設工法 近接家屋との距離 L(m)
20m 30m 40m 50m  
農水省事業所1 圧入工法          
超高周波工法          
バイブロハンマ工法          
農水省事業所2 圧入工法          
超高周波工法          
バイブロハンマ工法          
A県 圧入工法          
超高周波工法          
バイブロハンマ工法          


排水量と使用ポンプ
排水量(m3/h) 口径×台数 発動発電機容量(kVA)
0以上〜6未満 50×1 2
6以上〜30未満 100×1 5
30以上〜40未満 150×1 20
40以上〜120未満 200×1 25
120以上〜450未満 150×1
200×2
60
450以上〜1300未満 200×5 100


機種選定
 掘削・積込・運土作業
機 種 規 格 備 考
バックホウ 山積0.28m3(平積0.2m3)
山積0.13m3(平積0.1m3)
床 掘     一箇所当り施工土量が100m3程度まで、または平均施工幅1m未満の場合
山積0.45m3(平積0.35) 平均掘削幅1m以上2m未満の場合
山積0.80m3(平積0.60) 標準(上記以外)
山積0.80m3(平積0.60) 掘削積込
(ルーズ状態)
 
対象土量が50,000m3未満の場合
山積1.40m3(平積1.00) 対象土量が50,000m3以上の場合
ダンプトラック 2t級  一箇所当り運搬量が50m3以下の場合
4t級  一箇所当り運搬量が100m3以下の場合
10t級  標準機種

 敷均し作業
機種 規格 備考
ブルドーザ 普通15t級 施工幅が4.0m以上の場合で、かつ対象土量が10,000m3 未満の場合
普通21t級 施工幅が4.0m以上の場合で、かつ対象土量が10,000m3 以上の場合
湿地16t級 トラフィカビリティが不足して普通ブルドーザが使用できない場合
普通3t級 施工幅が2.5m以上4.0m未満の場合

 埋戻し
機種 規格 備考
振動ローラ 搭乗式・コンパインド型
3〜4t
締固め幅が1.0m以上の場合で、かつ対象土量が500m3以上の場合。
ハンドガイド式
0.8〜1.1t
構造物付近等の搭乗式振動ローラの使用が不適当な場合で、かつ締固幅が1..0m以上の場合。
振動コンパクタ 前進型80kg 締固幅が45cm以上の場合
タンパ 60〜80kg 締固幅が35cm以上の場合


掘削作業半径及び掘削深
   最大作業半径
(m)
最大掘削深
(m)
バックホウ 6.0 5.0
テレスコピック式クラムシェル 6.0 20.0
ロングアームバックホウ 9.5 10.0
ローブ式クラムシェル - -