棚からぼたもち

最近、仕事が暇なので、よく「お父さん」しています。本やビデオでカブトムシやクワガタばかり見ている息子に、何とか本物をさわらせてやろうと、子供の本をたよりに「お父さん」は仕掛けを造りました。それは、バナナに酒をかけたものをビニール袋に入れ、2,3日してからこれをアミの袋に入れてクリなどの木にぶらさげておくというものでした。晩酌用の酒を惜しげもなくバナナにかけてビニール袋に入れ、逸る気持ちを抑えきれない息子に「あと2日待ったらカブトムシを捕まえてやるからな」と言って床についた次の朝…、

 

子供達が騒がしいので起きてみると、庭に置いてあったスイカの皮に、なんとカブトムシがいたというのです。息子はさっそく虫かごにいれ、友達に見せるのだといって保育園へもていきました。その日は土曜日だったので昼に帰ってきた息子は、妻が午前中に買ってきた大きな虫かごにカブトムシを移し、暫く満足そう眺めていましたが、それでは飽きたらず、かごから出して歩かせたりして遊んでいました。息子にさんざんもて遊ばれ、カブトムシも疲れたのか元気が無くなったころ、近所の人が、なんと今度はクワガタを持ってきてくれました。再び息子は大喜びで、ほっとした表情のカブトムシを御殿(?)に戻し、今度はクワガタと遊び始めました。息子にとってこの日は最高の日になりました。その日の夜、満足げに眠る息子の寝顔を見ながら、「お父さん」は冷蔵庫の上に置いてある、酒をかけたバナナの処分法を考えていました。