グリーン・ツーリズム


●グリーン・ツーリズムとは 1)
グリーン・ツーリズムとは、「緑豊かな農山漁村地域において、その自然、文化、人々との交流を楽しむ、滞在型の余暇活動」である。具体的には、都市に生活する人々などが農山漁村の民家、キャンプ場、民宿、旅館、コテージなどに滞在し、山、森、川、海などの自然の中で遊んだり、農林漁業、地元料理、伝統工芸、伝統芸能などの地域の産業や文化活動を体験したり、まつりやイベントに参加したりしながら、休暇を楽しむことを言う。
平成4年6月に公表された新政策において、地域全体の所得の維持・確保を図る観点から多様な就業機会を創出するための施策として都市にも開かれた美しい農村空間の形成にも資するグリーン・ツーリズムの振興を図ることとされた。その後、 農村滞在型余暇活動に資するための機能の整備を促進するための措置等を講ずるとともに、農林漁業体験民宿業について登録制度を実施すること等により、農山漁村滞在型余暇活動のための基盤の整備を促進し、ゆとりある国民生活の確保と農山漁村地域の振興に寄与することを目的として、農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律が平成7年4月1日施行された。

●農政における位置づけ 1)
@ 農政改革大綱
  平成10年12月の農政改革大綱において、グリーン・ツーリズム等都市と農村の交流が国民的運動として定着するようソフト・ハード両面からの条件整備を行うこととされ.た。
@ 食料・農業・農村基本法
  平成11年7月12日に成立した「食料・農業・農村基本法」では、 農村の振興に関する施策の1つとして、「都市と農村の交流」が挙げられ、農業・農村の振興とともに、国民の健康的でゆとりある生活に資するため、必要な措置を講じることとされた。
B 食料・農業・農村基本計画
  平成12年3月24日に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」では、農村の振興に関する施策の一つの柱としてグリーン・ツーリズムの推進等により都市と農村の交流の促進が位置づけられた。

●グリーン・ツーリズムの現状
 現在、次のような形のグリーンツーリズムが行われている
 @ 農村レストラン
 A 農家民宿  農林漁業体験民宿
 B 産地直場所
 C オーナー制度
 D 自然体験ツアー  田舎体験ツアー  農業体験の修学旅行  ふるさと探しの旅
  
●グリーン・ツーリズム推進上の課題 2)
  
 農業・農村体験を希望する都市住民は増加傾向にあるものの農家民宿の年間利用者総数は国内観光旅行宿泊者数の3%にとどまっているなど、都市側における潜在需要の顕存化が大きな課題となっている。 農村側においては、グリーン・ツーリズムの地域経済への効果について期待した効果が上がっていないとする市町村も多くみられ、取り組みの改善が求められている。
 このため、グリーン・ツーリズムに取り細む農村側においては、
@都市住民の多様な二一ズの把握と農山漁村資源を活用した地域におけるグリーン・ツーリズムのコンセプトづくり
A農山漁村から都市への情報発信とネットワーク化
B多彩なメニューづくりとそれを支えるインストラクター等人材の育成
C地域の条件に応じた魅力ある農山漁村空間の整備
 を図っていくことが重要である。


参考文献

1) グリーン・ツーリズム 都市農村交流のページ  
2) グリーン・ツーリズムの展開方向(農林水産省農村振興局)