集団の部分と全体の関係
(1)平均の関係
1つの集団を、幾つかの部分集団に分けたとき、各部分集団内の平均と、初めの
集団(全集団という)の平均との間には、関係があります。
各部分集団内の平均を、その部分集団の大きさをウエイトにして、全部分集団に
亘って加重平均すると、全集団の平均(全平均という)に一致します。
上のことは、初めに集団が幾つかあって、それらを併合して全集団とする
場合も同じです。
-------------------------------
理論
大きさ Nの1つの集団を、大きさ Niの K個の部分集団に分け、各部分集団内の
平均をμiとします。
大きさ N1, N2,....,NK
平均 μ1,μ2,....,μK
このとき、全平均をμで表せば、
μ=(ΣNiμi)/N (1)
となります。Σは iを1から Kまで合計することを意味します。
これは
全平均=部分集団内の平均の平均
という関係を表すものです。
--------------------------------
計算例
ある市に4つの高校があり、同じ学年で同じ問題の統一試験が行われました。
学校別の生徒数と平均点は次の通りです。4校の全平均点を出してみます。
学校(i) | 1 | 2 | 3 | 4 |
生徒数(Ni) | 135 | 190 | 92 | 156 |
平均点(μi) | 73 | 67 | 85 | 74 |
---|
全生徒数は 135+190+92+156=573(人)
となるので、全平均μは
μ=(135*73+190*67+92*85+156*74)/573=41949/573=73.209(点)
となります。
---------------------------------
練習問題
ある農家では、収穫したじゃが薯を袋詰めにして販売するのに、
袋ごとに薯の大きさを揃えて、消費者の求めに応じることにしています。
次の表は、5袋の薯の重さを示しています。
薯の重さについて、袋ごとの平均と、全平均の関係を確かめなさい。
袋(i) | 重さ(g) |
1 | 158 | 165 | 171 | . | . | . | . | . | . | . | . |
2 | 125 | 120 | 134 | 118 | . | . | . | . | . | . | . |
3 | 102 | 107 | 95 | 89 | 96 | . | . | . | . | . | . |
4 | 70 | 75 | 67 | 69 | 65 | 74 | 71 | . | . | . | . |
5 | 37 | 38 | 45 | 51 | 46 | 37 | 43 | 47 | 49 | 54 | 45 |
---|
ヒント:袋別の個数と重さの平均を出す一方、全ての個数と平均を出し、
上の(1)式が成り立つことを確かめます。
個数や平均は
N1=3, N2=4, N3=5, N4=7, N5=11, N=30
μ1=164.6', μ2=124.25, μ3=97.8, μ4=70.143, μ5=44.727, μ=82.1
と計算されるので、これらを(1)式に当てはめます。
統計計算例集目次