相関係数

 (4)順位相関係数(その1)
順位を示す2つの変数がある場合、その相関係数を順位相関係数といいます。 各順位は普通1〜Nの1つで表され、同じ変数内での同順位はないものとし ます。
  理論
N個の変数の組 (X,Y)があり、X,Y とも 1-N の値のいずれかを1つ、 重複なくとるとき、X,Y の相関係数が順位相関係数です。
   順位相関係数は、相関係数を求める一般式でも求められますが、変数のとる    値が一連の整数に限られるため、特に次の式で与えられます。
    ρ=1-6*Σ(X-Y)2/{N(N2-1)} (1)
       同じ変数に同順位があるときは、一般式を用いると正しく計算されます。 ---------------------------------------   計算例 8人の選手が競泳を2回行った結果、1回目の着順 (X)と2回目の 着順 (Y)は次の通りでした。1回目と2回目の順位相関係数を求めます。
選手 1回目の順位 (X) 2回目の順位 (Y) X-Y 1 4 6 -2 2 7 5 2 3 1 2 -1 4 5 4 1 5 2 3 -1 6 8 7 1 7 6 8 -2 8 3 1 2
先ず、(X-Y)2の合計を求めます。 Σ(X-Y)2=(-2)2+22+(-1)2+12+(-1)2+12+(-2)2+22 =20 となるので、順位相関係数は、N=8 により
ρ=1-6*20/{8*(82-1)}=0.7619
となります。
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順位相関係数の意味と計算手順のまとめ

意味:2系列の順位の直線的関係の強さを表わす尺度。

計算手順:1、データの配列を確かめる。
2、N,Σ(X-Y)2の値を求める。
3、これらを上式 (1)にあてはめる。

練習問題 10人の生徒が2回の試験を受け、1回目の成績順と2回目の成績順は 次の通りでした。成績順位の相関係数を求めなさい。
生徒 1回目の成績順位(X) 2回目の成績順位(Y) X-Y 1 4 6 -2 2 10 7 3 3 5 5 0 4 9 8 1 5 7 10 -3 6 3 2 1 7 1 3 -2 8 6 4 2 9 2 1 1 10 8 9 -1
(答)N=10, Σ(X-Y)2=34 により ρ=0.79'3'

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