平均 (7)個別データの幾何平均 Simple geometric mean(average)
幾何平均は、全データの相乗積の同次乗根です。 データの対数をとり、その算術平均を求め、その逆対数をとっても同じ 結果が得られます。 データは、ここでは全て正の値とします。 幾何平均は、同じデータの算術平均より小さくなります。 幾何平均は、データのばらつきが小さいほど、同じデータの算術平均に近 くなります。 幾何平均は、一群の正数に対して常に算出することができますが、実感あ る例としては、変化率や利息の平均などがあります。
計算例 次の8個のデータ
28,7,11,22,9,16,15,19
の幾何平均は
(28*7*11*22*9*16*15*19)(1/8)=14.4930
です。 (参考:算術平均 15.875)
(注)高次乗積や高次乗根の計算は、筆算では困難または不可能です。 対数計算が便利です。パソコンや関数機能付き電卓なら容易にできます。 ----------- 理論
N個のデータ
X1,X2,....,XN
の幾何平均を Gで表わすと
G=(X1X2,....,XN)1/N
となります。
あるいは、対数をとって
LogG=(LogX1+LogX2+,....,+LogXN)/N (a)
とすれば、LogGは数値となるので、同じ底(てい。ここでは e=2.71828) の指数をとり
G=eLogG (b)
とすれば、これが求める幾何平均となります。 -----------練習問題
意味と計算手順のまとめ 意味:集団の代表値の一種
計算手順:1、データから N, ΣLogX を求める。
2、これらを上式 (a)にあてはめる。
3、その結果を (b)式にあてはめる。
注意:データの中にゼロや負数が含まれていると きは幾何平均は計算しない。
某企業の年間売上高の近年の伸び率は、次のとおりです。 平均伸び率を求めなさい。
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 0.18 0.22 -0.07 0.15 0.36
ヒント:この場合の幾何平均は、売上高の対前年比(当年/前年)に 対してとります。伸び率は(当年−前年)/(前年)である ため、各伸び率に1を加えてから幾何平均をとり、それから 1を引いて答とします。[答 0.159]