質問5 (分散は標準偏差から求める?)問題「分散はどのようにして求めるか」。 生徒の答「標準偏差を2乗して求める。」 解説 近年は電卓やパソコンが普及したことで「標準偏差は知ったが、分散は知らない。」 という人がいます。なるほど、データを入れて「標準偏差」のキーを押すと標準偏差 はすぐに求められます。 個別データから標準偏差を求めるには、必ず平均と分散を経由します。計算され た平均や分散はほかのキーのところに収まっています。即ち、先ず平均や分散を 求め、分散の平方根をとって標準偏差とします。ですから、分散が「親」で標準偏 差は「子」といえます。親の方が先に生まれます。 「分散は標準偏差を2乗して求める。」というのは数値的にはよいとしても、適切な 答とはいえません。 適切な求め方は、例えば次の4個のデータ 1,3,4,8 から筆算で分散を計算する手順 によります。 (1)先ず平均は (1+3+4+8)/4=4 (2)次に2乗平均は (1*1+3*3+4*4+8*8)/4=22.5 (3)分散は (2)-(1)*(1)=22.5-4*4=6.5 このように分散は標準偏差を使わないで求めます。 (明星大学教授 船津好明)