50BM8超3極管接続アンプ
6BM8ではなく50BM8を使用した超3極管アンプ
91年の「無線と実験」MJ誌に載っていた
超3極管接続アンプの存在は知っていて一度どういう音がでるのか試してみたいと思っていましたが、
現用のアンプでとりあえず鳴っており、私はまめな調整などやらない方なので長期間安定に動いてくれるか
心配になり先送りになっていました。
そうこうしているうち超3極管アンプ製作記事のHPが出るようになりいろいろ読んでいるうち
結構安定に動作している様子でしたので、これならば自分にもできそうだと製作に取りかかりました。
超3極管についてはいろいろの方のホームページがありますのでそちらをご覧ください。
私のこのページに来られる方はたぶんご存じと思いますが。
Evolve Power Amplifiers ・・・・・・・ 超3極管についての記述と製作記事満載
手作り真空管アンプのページ・・・・・・・ 真空管アンプについて参考にしたページ
6BM8超三極管接続アンプの製作・・・・ 最初に作ろうとした回路のもとのページ
Super Triode Connection Ver.1type・・ 変更後の回路の参考
製作方針
- 出力管には6BM8、初段に真空管6AK5を使用した回路を採用したい、(途中で変更)
- 手持ちの部品をできるだけ使用する(うまくいくか不明なのでできるだけコストをかけない)
- 足りない部品だけ新規に購入することにする。
部品をそろえる
- 出力管は6BM8を計画しましたのでまずこれを、以前に秋葉原ラジオ会館3Fで50BM8が@500¥で出たとき何かに使用できるのではと買い求めていたものを使用、ヒーター電圧は何とかなるだろうと、これを使用することにしました。
- トランス類は手持ちはないのですべて新規、出力トランスはコスト的に608Uは遠慮して記事のT-850をパラにしようすることにしてZ=10kを4個(なぜ2個パラにするといいのか、いまだによくわからないでやっている)購入。
- 電源は40Wの170-200-240V、これにはヒーター用6.3Vがありませんので昔の白黒テレビをばらしたとき出てきた6.3V、電流は不明のものを予定。
50BM8用ヒーター用 50V0.2Aトランス、当初はコンセントの100Vからヒーターをつけようと思ったのですが、左右でヒーターの電圧配分が違うと、片方をアースに落とすともう一方のチャンネルのH−K間電圧がオーバーになりますし、真ん中でアースに落としても感電の可能性がある、ということでそれならばとトランスでヒーターを点けました。6BM8を買った方が安かったかな?
- 電解コンデンサも在庫品を使用したかったのですがどうにもシャーシが小さくて入りませんので350μ400Vを@400-.で購入
- シャーシはなにかを作ろうとして買っておいた鈴蘭堂のもの
- こまい部品はほとんど、なぜか持っていた手持ちのもので間に合いました。
製作
- シャーシの配置を考えているうちどうもうまくおさまりません、7個のトランスを小さなシャーシに乗せようとしているのですから当然か!
6.3Vのトランスをなくするとあっさりはいりそうなので回路変更で、上条さんのHPにあった超3極管アンプVer.16BM8ステレオパワーアンプUをコピーする事にしました。
- あとで出力管を変えて全部真空管でいけるように真空管の穴だけはあけておくことにします。
50Vのヒータートランスはなるたけ出力トランスと離したいのと、スペースの関係で斜めに配置、電源トランスは真空管からできるだけ離したかったのですが小さいシャーシなので結構近くなりました。出力管の電圧といい、近さといいハムが心配になります。
ノイズが心配で気休めにでもなればと電源トランスの鉄心にショートリングを巻いてみました、巻き線にもと思ったのですが枠をバラしたり電圧表示シールの処理が面倒なのでこれはなし。
- ブロックコンデンサは3個いるのでこれはトランスの真下に配置、取り付けは秋月で買っておいた生の基板をカッターナイフで切り込みを入れてアートワークを仕上げ、L字金具で固定。ついでに整流用ダイオードのスペースとヒーター用プルアップ(?)抵抗スペースを設けました。
- 配線は思ったよりは少なくてすみました。束線バンドなどでまとめてないのでちょっと散らかってます。
- Tr,CR類の初段の部分はラグ板に半田付してから取り付け配線、出力管の電流調整用VRは2KΩはあとで5KΩに取り替え。
- 配線チェックののち、50BM8はヒーターのみ点灯して半日おいてエージングし、ブロックコンデンサも170Vと200Vの端子を利用30Vで半日おいてエージング。
- その後に調整に入りました。文献通り出力管のカソード電流を35mAに設定すべくカソード抵抗2kΩの両端の電圧を70Vに設定、2KΩVRでは調整がシビアでうまく設定できないのと回転角が片方によっていたので5kΩVRに変更しました。
できあがって
- できたーっ!
- 電圧調整が終わって一応完成なので早速音だしをしてみたくなりますがちょっと押さえてダミー抵抗を接続してAC電圧を測定。
異常な電圧は出てないようなので発振はないと判断。
壊れてもいいSPを接続、入力を接地してSPに耳を当てます、驚いたことにほとんどハムは聞こえません、ありがたいことです。
大きな電流の流れ道と入力のアースを分けてことがよかったのか?50BM8のヒーター電圧が6.3Vに比べて高いので心配していましたが思ったよりハムが少なくて一安心。
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- さて音だし
- CDを接続していよいよ音は? みみに入ってきた音を聞いてすぐに思ったのは「以外にクリアな音だ」ということ、別のアンプと比較してということではなくさらりと出てくるような感じの音。
次に「このアンプの大きさ(出力トランス)にしては低音がたくさんでるなー」です。いままで大きな出力トランスを使用しないと真空管アンプは低音は出ないものとおもってましたので。
高い音のエネルギーが少し足らない気がします、現用のトールボーイは前作スワンに比較してもあまり高音のでないものですのでそのせいかとも思ってますが。 全体的にはバランスがとれているようでバックグランドの音にずっと出していても言いようです。
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- これから
- すぐにどうこうよりもすこし超3極管アンプの音を聞いて味わっておきましょう。
50BM8を使用したのでヒーターを100Vに持ち上げてますがちょっと高すぎました70Vにしようか。
ひずみ率はとれませんがもう少しまじめに入出力特性くらいはとろうかな。
スペースは空けてあるので6.3Vのトランスを追加して初段を真空管にしてみたい。
全体の構成は写真の様になりました。 写真ではMT管の小さいのが挿入されてますがこれは現在は飾りです、なにもないとさみしいので、なにに使うかよく考えずに10本100円で買ったものです。
配線と電圧チェック,調整、と済み、とりあえずどんな音がするかと試聴しています。
現在の回路
前面より

後面より

シャーシの中
基板とソケット付近、Trの足が短いので無理がかからないように根本から離れた所で曲げました
