おばさんが亡くなって一週間。
アプリコット達は、いよいよチロルの村を経つことになりました。数えればおよそ2ヶ月、この村に滞在したことになります。別れの寂しさは、思った以上により大きなものでした。
とは言え、ここで費やした分まで、一刻も早くフォンテーンランドに戻らなければなりません。
一週間、アプリコット達は挨拶回りに勤しみました。メアリおばさんにピーター爺さん、エミリ−、医師のゲオルク、近所その他諸々の人々・・・
みんな、彼女がメイでないことはもちろん知っていましたので、この2ヶ月間トゥルーデおばさんの看病に勤しんだアプリコット達を心から労い、待っている旅の無事を強く願うのでした。
そして出発の朝。
ノイマンの家の近くの広っぱ。そこに止まったボスコ号の前に、ちょっとした集まりができていました。
みんな、アプリコット達を見送りたいと、自然に集まった村人達です。
アプリコットの前に立ったケートが、彼女に色とりどりの花束を手渡しました。驚く様子のアプリコット。
「母とあなたが育ててくれた、庭の花よ。ここにいた記念に受け取ってね。」
「ありがとう、ママ!」
喜びの声を上げるアプリコット。喜びのまま、ケートに抱きつきます。
その体を、腕一杯、心一杯に抱きしめるケート。
「メイが、夢で言ってたわ。私があなたを、ここに呼んだんだって。あなたに悪いことしたって、謝ってたわ。」
「謝ることないのに、私もいろいろ教わったんだから。むしろここに呼んでくれて、ありがとうって言いたい。」
「あなたも、メイに会ったの?」
「うん。ホント、私にそっくり。自分を見ているみたいで、ビックリしちゃった!」
「でしょ?初めてあなたがうちに来た時も、私もびっくりしたんだから。」
「でも、ケートさんを見て、私も驚いたの。だって、雰囲気がママそっくりだったから。」
「ほんとのママに、会えるといいね。」
「会えるよ、きっと。フォンテーンランドに帰ったら、きっと会えるから。」
「でもこれ以上こうしてたら、あなたのほんとのママに悪いわね。」
そしてケートは、抱いていた手をそっと解きました。
「いつまでもこうして一緒に暮らしていたいけど・・・でも子離れの時は来るものね。せめて今はメイとして、あなたを送らせてくれるかしら?」
「・・・・・」
せがむようなケートの言葉に、頷くアプリコット。
ケートは、自分が肩にかけていたショールを、そっとアプリコットにかけて言いました。
「飛行船の上は寒いんでしょ?風邪ひかないようにね。温かくして眠るのよ。危険な所には行っちゃダメ。食事はちゃんと取るのよ。長い旅なんでしょ、無理しないようにね。それから・・・」
それから・・・とまだ言葉を考えているケートを、アプリコットは笑って遮ります。
「ママ・・・私、もう子供じゃないんだからね!自分のことは自分で気をつけます。それよりママこそ、私がいなくなってもあまり悲しんだりしないで。パパと、この村のみんなと一緒に、いつまでも元気でいてね。」
頷くケート。最後にもう一度、二人は固く抱きしめあいました。
「アプリコットさん・・・いやメイ。」
ノイマンの呼びかけに、アプリコットが向き直ります。
ノイマンが差し出す、一通の白い封筒。
「母から、自分が死んだらメイにこれを渡して欲しいと預かっていた。今それを渡すから、受け取って欲しい。」
そして差し出された白い封筒を、アプリコットは大切そうに受け取ります。
「ありがとう、パパ!」
笑って言うアプリコット。
その言葉に、ひどく面食らった様子のノイマン。パパなどと呼ばれるのは何年ぶりなのでしょう。
面食らったノイマンの様子に、いたずらっぽく笑うアプリコット。そして彼とも、
お別れに抱きしめあいます。
もう一度、見つめ合うケート、ノイマン、そしてアプリコット。
「パパ、ママ、そしてこの村の皆さん。2ヶ月の短い間だったけど、いろいろありがとう
ございました。ここでの事、私は決して忘れません。本当に、ありがとうございました。」
そして、深々とお辞儀をします。自然と溢れてくる涙を、見られないようにそっと肩で拭いました。
「行ってらっしゃい、気を付けてね!」「いつでも、またこの村に遊びにおいで!」
「また来なさい、待ってるから!」
村人達の声が、幾重にも幾重にも彼女を包み込みました。
彼女を送り出す幾つもの声の中で、
「じゃ・・・もう行くね。」
笑って一言告げ、アプリコットはボスコ号に駆け入りました。
デッキで見守っていたフローク、タッティ、オッターが、揃って深々とお辞儀をします。
同じく、お辞儀を返すノイマンにケート。
やがて。人々の見送りの中、少しずつ空へと上昇していくボスコ号。
地上では、村人達がいつまでも歓声を上げ、手を振り続けています。
デッキでは、両手を振って応えるオッター。にこやかに眺めているフローク、タッティ。
後部デッキでも、小さく手を振っているアプリコット。
ボスコ号は見送る村人達の上を一回りすると、そのまま村の外へとまっすぐに飛んでいきました。
チロルの村が見えなくなり、部屋に入ったアプリコットは手元の白い封筒を見ました。
トゥルーデおばさんが、最後にアプリコットに残してくれたメッセージ。
そっと封を開け、手紙を取り出します。
目を通すと、達筆なしっかりした文字が、彼女を迎えてくれました。
文字で埋まった、数枚の手紙。
その一文字一文字を、おばさんの言葉とかみしめていきます。
メイへ
これをあなたが読む頃には、多分私はこの世にいないでしょう。
実は、あなたがメイでないことは、うすうす感づいていました。でもあなたは、もういなくなってしまう私のために、もういなくなってしまったメイになりきって、多分最後まで私を看取ってくれることと思います。最後まで、本当にご苦労様でした。そして、心からのありがとうをあなたに。
「・・・おばあちゃん・・・私がメイじゃないって、分かってたんだ・・・。」
でも、最後までそのつもりでいてくれたんだね・・・
おばさんのやさしさに改めて触れ、目の奥にジンと響きました。
その手紙を手に、後部デッキへと出ます。ここなら、少しでもチロルの村に近いから。
風が穏やかに流れていく中、続きを読み始めます。
名も知らないあなたへ。お名前で呼ぶことができないのが残念だけど、あなたに一つだけ伝えたいことがあります。
私がケートを身ごもった時のこと。つわりが出た時は、これが私の中に宿った生命の最初の合図なんだと、心の底から喜びが溢れてきました。そしてこれから、この子が私の元に生まれてくる!次第にお腹が膨れて、歩くのも大変だったけど、ずっとこの子と一緒なんだから嬉しくて仕方ない。時々お腹を撫でて話し掛けると、お腹の奥で動くのがはっきり感じます。頭や手を動かしたり、足で蹴ったり・・・。その度に愛しさが込み上げてきました。この心の底から衝き上げてくる愛しさは、産みの母でしか分かりっこありません。6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月、早く生まれてこないかなとはやる心を毎日、この子の着る服の編物で鎮めていました。
一心に手紙を読むアプリコットの前に、姿のないおばさんが生き生きと語ります。
年若い、彼女より少し先輩の母として。
やがて陣痛が始まります。お腹を痛めて産む、ってやつですね。その痛みは大変なものだけど、呼吸法さえしっかりすれば少しだけ楽になるから安心して。
痛みの末に、産まれ出たという感触と耳を突く大きな泣き声。今でも、あの瞬間ははっきり覚えています。痛みでくたくたの私を、あの子の泣き声が癒してくれました。
産湯で洗われたあの子を、初めて見せてもらいました。元気な女の子の赤ちゃん。しきりに小さな体を動かして、泣き続ける赤ちゃん。ちゃんと産まれてきたよ、一杯可愛がってね、って、泣いて知らせてくれています。見ているだけで、自然と心が安まりました。
後日、やっとこの子を抱かせてもらいました。羽のように軽くて、でもずっしり重い。この先に、この子が生きていく未来が続いています。手に抱くと、本当に小さい。でも、私の腕の中のたった一つのこの生命。私が生み出した生命。あどけない寝顔。私の腕の中から、この子の人生が始まっていく。私がこれから、この子を守っていくんだと思いました。そう、例え生命をかけても。最近、子供の虐待の話を耳にします。もちろん、この村には一人もそんな人はいませんよ。あなたが万一そんな悲しい気分になったら、思い出して。あなたにとっては一人の子供かもしれないけど、その子にとってはお母さんはあなたしかいないということを。その子がひたむきに向ける、お母さんに縒りすがる眼差しを逃げずに受け止めて。そして手を上げる前に、一度だけ抱きしめて。一時の過ちを、一生後悔する前に。あなたに接している、今のケートはどうですか?親馬鹿かもしれないけど、穏やかなやさしい娘に育てたつもり。今日まで育ててきたこの娘が、私の人生、すべてです。傍目には普通の娘でも、私にとっては自慢の娘です。あなたもやがてお母さんになり、自分の子をその手に抱くでしょう。その時に、心の片隅にでもこの言葉を思い出してくれたら嬉しく思います。
久しぶりに長い手紙を書いて、少し疲れてしまいました。そろそろこの辺でペンを置きます。
窓の外を眺めると、本当にきれいな雪景色。一面真っ白い中に、裸の木々や家がのんびり建っています。春には雪も解けて、広い畑や小川が見られます。夏には丘の上に花が咲き乱れ、秋には枯れ散る葉が土になる。
チロルの村もなかなか良かったでしょ?もしできることなら、またこの村を訪ねて下さい。私も、この村の空になって待っています。あなたは、本当によくしてくれました。もう一度、心からのありがとうをあなたに。
冬の晴れた空の下で
読み終えたアプリコット。
知らないうちに、溢れた涙が頬を伝い落ちていました。
今、心から思います。
この村に来て、おばあちゃん達に出逢えて、本当によかった。
いろいろなこと、お話してくれて、教えてくれて、本当に、本当にありがとう。
また、いつか、どこかで逢えるといいね!
いつかの、おばさんの言葉が思い浮かびます。
゛輪廻転生って言ってね・・・人は、何度でも生まれ変わる。そしてその時隣にいる人が、生まれる前にもやっぱり親しかった人なんだよ。例えその時の記憶はなくても、心配はいらない。だって、今その思いが、生まれる前の思いそのものなんだからね・・・゛
そう・・・だから、今はその時まで・・・
流れる涙の一滴を指先に取り、手紙の余白になぞります。
゛私の名前はアプリコット。ケートさんのようなやさしいお母さんから、生まれてきました。きっと、また、どこかで会おうね、おばあちゃん。゛
手にした手紙を胸に抱き、チロルの村の方へと、もう一度深々と頭を下げるのでした。
そして背を翻し、今度はフロントデッキへと駆けていきます。
いきなり出てきたアプリコットを、何事かと見ているフロークにタッティ、オッター。
まっすぐ、ボスコ号の進む先を見据えているアプリコット。
「・・・お別れは、済んだかい?アプリ。」
尋ねたフロークに、振り返ったアプリコットは頷きます。
「・・・この村に来て、一杯涙も流したけど、一杯素敵な出逢いも出来事もあったわ。だから、ここへ来れたことを心から嬉しく思ってる。」
フローク、タッティ、オッター・・・一人一人見つめて、アプリコットは続けます。
「ありがとう、みんな。みんなが私を信じてくれたから、こんな素敵な出逢いがあったの。次は、フォンテーンランドね。」
そして、もう一度前を見据えます。
ずっと続いて行く谷の向こうに、雪を頂きに載せた山々が聳えています。
「あの山を幾つ越えたら、フォンテーンランドに着くのかな・・・」
呟くアプリコット。
その横顔を見て、改めてフロークは心に決めました。同じ横顔のタッティ、オッター。
「アプリ・・・」「ん?何、フローク?」
「安心して。何があっても、僕達は君をフォンテーンランドへきっと連れて行く!」
そして3人、がっしと肩を組み合います。
その改まった様子に、クスッと笑いを漏らすアプリコット。
「分かったわ、頼りにしてる。私も、きっと生命の泉を元の姿に戻してみせるから。」
今の姿が失われる・・・
あれだけ、フォンテーンランドへ還るのが不安だったのがウソのよう。今は、一刻も早く還りたくてうずうずしています。
チロルの村での出逢いが、溢れる勇気をくれたのです。
視線を戻した遥か向こう。きっとフォンテーンランドの山々へとつながっている、大雪山の峰々が待っています。両翼を広げて、空を広げて。
「待ってて〜!もうすぐ、そこに戻るから!」
不意に叫んだアプリコット。フロークが、タッティ、オッターがギョッと彼女を振り返ります。それでも、すました表情のアプリコット。
入り組んだ山々の中で、彼女のこだまがしばらく響き渡っていました。
それから季節は巡り・・・
ほんの一欠片の雪粒の、融けた一滴。
雫はやがて一筋の流れとなり、一筋の流れは幾本ものせせらぎとなり、求め合うように迸り、山々を駈け下りていきました。
荒れた山肌を覆っていた雪は陽の光を浴びて水となり、土を潤し、草木を潤し、生き物を潤し、山を潤し・・・
石ころばかりの谷底を融けた雪の川が流れば、潤いはやがて峰々へと染まりました。
緑は青々と茂り、空の色を映し出した川は脈々と地を流れ、鳥が木々を飛び交い歌を交わす。生きとし活けるものの相集う、ここは自由の楽園。
そんな季節が、それから5回巡り巡りました。
「・・・アプリ。」
不意に彼女を呼びかける声に、アプリコットは振り返りました。
立ち並ぶ白い墓石の間を、一人の青年が彼女の前に歩み寄ってきました。
そして一人、もう一人。
精悍な、でも少年のように輝く瞳を持つ青年。
ちょっと皮肉そうに笑っている青年。
人の良さそうな、のっぽの青年。
微笑んで、首を振る彼女。
「ここでは、メイって呼んでよ、フローク。おばあちゃんが見てるじゃない?」
「もうバレてるんだから、本当の名前でいいんじゃないか?アプリコットとして、ね。」
口元をちょっとはね上げ、言うのがタッティ。
「それは、言えてる!」
うんうんと、納得した様子で頷くオッター。
それに応えるように、一陣の風が芝生を撫でていきました。
「・・・それもそうね。」
頷くアプリコット。
彼女が佇んでいた墓石の前に、4人は立ち並びます。
真中にアプリコット、フローク。その両脇にタッティ、オッター。
緊張した面持ちで、腕を組むアプリコットにフローク。
「おばあちゃんに報告するね。私と、隣にいるフローク。今日から、一緒に暮らします。私と彼が生き続ける限り、一つ屋根の下で、いつまでも一緒にね。」
「僕達、結婚します!」
力強く宣言する二人。
そのまま、身じろぎもせず立ち続ける4人。
「・・・それだけかい?」
ぼそっと呟くタッティ。怪訝そうに振り向くアプリコット、フローク。
「何か・・・することあるんじゃないのか?」
そう言って、反対の脇に立つオッターの前に歩いていきます。
そのまま、彼の口元に顔を近づけていくタッティ。ヒイッと顔を背けるオッター。
一瞬で、パアッと顔を赤らめるアプリコットにフローク。
「やれよ、フローク。君の方から。オレ達は、後ろ向いててやるからさ。」
そうけしかけ、オッターを促します。
揃って、後ろを向くタッティ、オッター。
戸惑った様子一杯に、顔を赤らめたまま、お互いを見つめ合うアプリコットとフローク。
気になる様子のオッターが振り返ろうとしますが、タッティに横腹を小突かれ、慌ててまた後ろを向きます。
やがて・・・アプリコットがそっと目を閉じました。
ちょっと上を向いた口唇が、じっと待っています。
キリッと表情を改めるフローク。
ゆっくり、アプリコットの顔に顔を寄せていき・・・
そのまま・・・
今。二人の口唇と口唇が、静かに合わさりました。
静寂さの中、ザワッと沸き上がる風。二人の髪が、服がそよぎ、二人のこころは一つになりました。
合わさったまま、身じろぎ一つしない二人。
後ろに回された手が、自然とお互いを抱き合いました。
・・・頃合を見計らったタッティが、横を向いて目配せをします。
光る汗、Tシャツ、出会った恋 誰より輝く君を見て
初めての気持ちを見つけたよ 新たな旅が始まる
雨上がり、気まぐれ、蒼い空 強い日差し いつか追い越して
これから描いて行く恋の色 始まりのページ彩るよ
前触れもなく、誰かが突然歌い始めます。後ろで。
驚いて振り返るアプリコット、フローク。
それはタッティでもオッターでもありません。でも聞き覚えのある女性の声。
その誰かが、口ずさみながらゆっくり歩いてきます。
その顔を見たアプリコットが、パッと顔を輝かせました。
行き場なくした強がりのクセが 心の中で戸惑っているよ
初めて知ったあなたの想いに 言葉より涙あふれてくる
少し幅の違う足で 一歩ずつ歩こうね
二人で歩む道 でこぼこの道
二つ折りの白い地図に 記す小さな決意を
正直に今 伝えよう
言葉が今 時を超えて 永遠を突き抜ける
幾つもの季節を通り過ぎて
辿り着いた 二人の場所 長すぎた旅のあと
誓った愛を育てよう・・・
I WiSH「明日への扉」
また別の、今度は少し幼な声の女の子の歌。
二人並んで歌いながら、4人の前までやってきた、その誰か。
やっぱり20歳くらいの女性。赤毛のポニーテール、活発そうな青い瞳。今は、赤縁のメガネをしています。そして彼女より背の低い、7,8歳くらいの女の子。
二人とも、驚くアプリコットとフロークを、いたずらっぽく見ています。
歩み寄り、その二人に抱きつくアプリコット。笑って、彼女達の背中をバンバン叩きます。
同じく、笑って悲鳴をあげるその誰か。
上ずった声で、アプリコットは彼女達に訊きます。
「ミーシャ・・・ミーシャでしょ!?それにマリーちゃん!何でここに!?ここにいるの!?」
「ヘヘ〜〜、何でだと思う?そこのタッティとオッターに訊いてみな?」
ねっ?と笑顔を向けるミーシャ。
得意そうに、タッティが話します。
「オレとオッターが呼んだのさ。君達二人を驚かそうと、ヴィーゼンベルクから、ね。」
「そうそう。ちょっと遠かったけど、ボスコ号で、ね。」
同じく、得意そうに話すオッター。
・・・それでこの間、二人とも何日かいなかったのか・・・
合点のいった様子のフローク。途端に、怒りが湧いてきます。
ダッと駆け出すフローク、同時に逃げ出すタッティ、オッター。
「ヤイッ!タッティ、オッター、そんなこと黙ってるなんてずるいぞ!?」
笑いながら、タッティとオッターを追い掛け回すフローク。
「アハハハ・・・驚かすんだから、黙ってるにきまってるじゃないか!?」
「そうそう、フローク達こんなに幸せなんだから、これぐらいしないとね〜!」
やっぱり笑い声を上げ、白い墓石と芝生の間を縫って逃げ回るタッティ、オッター。
追いつ追われつの3人を見ながら、くすっと笑いを漏らすアプリコット。
「アプリ!」
呼びかけるミーシャ。振り返ったアプリコットに、ホラッ!と得意そうに見せます。
ヴィーゼンベルクで別れた時、彼女と交換していたブレスレットを。
アッ?という表情のアプリコット。すかさず、彼女も懐から取り出して見せます。
彼女からもらった、古びたロザリオを。
宝物を見せ合った二人。そうしてアハハハ・・・と、嬉しそうに笑い合います。
「マジィ?ちゃんと持っててくれたんだ?嬉しい!」
「ミーシャこそ、スゴイ!まだ持ってるなんて!」
「お姉ちゃん・・・すごくきれいになったね。」
笑っているアプリコットを見ていたマリーが、うっとりするように言いました。
彼女の頭を撫でて、アプリコットは言葉を返します。
「ありがとう、マリーちゃん。あなたも、ちょっぴりオトナになったじゃない?」
「ありがとう。まだお姉ちゃんに、胸も身長も勝てないの。でも女の子らしさは、たぶん私が上ね。」
バカ!と小突くミーシャ。フフッと笑うアプリコット。マリーも、楽しそうに笑います。
気を取り直して、ミーシャに尋ねるアプリコット。
「ミーシャ・・・今、どうしてるの?」
「いつかの黒いおじさんから貰ったお金で、大学に行ってる。卒業したら、町の役場に務めるつもり。そこから、もっと上に、ね。今は、そのための勉強一筋ってとこかな。」
得意そうに、赤縁メガネを押し上げるミーシャ。
答えるミーシャの顔からは、もどかしい程に明日を追いかける、未来への希望に溢れ返っていました。
「頑張ってるんだ?絶対受かってね!ヴィーゼンベルクを、もっと良くするんでしょ?」
ウン!と大きく頷くミーシャ。
今度は、彼女が表情を改めます。
「アプリ、結婚おめでとう!やっと、彼と一緒になれたんだね?」
「ありがとう。でもまさか、来てくれるなんて思ってなかった。ビックリ!」
「私もビックリ!何日か前にタッティとオッターが来て、知らせてくれてさ。それで、4人でアプリとフロークをビックリさせようってことになって。おかげで大成功ね!」
「でも、まだビックリすることがあるって言ってたよ?」
マリーの言葉に、怪訝そうに首を傾げるアプリコット。
何かが、バサバサと音を立ててやってきました。今度は空から。
ふわりとやわらかいものが頬に触れ、何かがアプリコットの肩に止まります。
「・・・スピーク?」
「会いたかった、王女様!」
見慣れた彼女のペットの九官鳥、スピークが、5年前と変わる事なくいました。
でも、どこかが違います。
ふと触れた、体。
またしても、彼女の顔がパアッと輝きました。
「温かい・・・スピーク、生命を得たのね!?すごいじゃない!?」
思わず、胸の中で抱きすくめるアプリコット。
「くるしい、くるしいってば王女様!」
「あ・・・ごめんなさい。あんまり嬉しすぎて。」
慌てて手を離すアプリコット。
その上を、元気に飛び回るスピーク。
「覚えてる?王女様が、私に生命をくれたんだよ?」
嬉しそうな、スピークの言葉。そう言えば、アプリコットも少し憶えています。
生命の泉で、光に包まれていた時、何かが彼女に飛び込んできたのを。その何かも、直後に光に包まれたのを。
あの時なんだ・・・
思わず、胸に手を当てるアプリコット。
生命の泉が、みんなに生命をくれたんだ・・・!
途方もない感動が、瞬く間に彼女の胸から溢れ出しました。
渦巻いては迸る感動に、なす術もありません。
思えば5年前。チロルの村で心を決めた時から、この感動は始まっていたのでしょう。
そして遡れば、大切な仲間達との冒険の数々。
空から飛び降りることもありました。山を谷を、地下の大洞窟を、海原を、島を、雪の村を、砂漠を、森を、湖を、町を、王宮を。
そして今の、自分がいます。
俯いたまま、肩を震わせているアプリコット。
「・・・アプリ、どうかした?」
追いかけっこをやめたフロークが、タッティ、オッターが、ミーシャ、マリーが、スピークが、彼女を覗き込みます。
「みんな、大好きッッ!!」
突然、大声で叫んで飛び上がるアプリコット。
ワッと、びっくり仰天で仰け反る一同。
アプリコットは構わず、そのまま、力一杯駆け出していきます。
どこ行くでもなく、嬉しさのまま、気持ちの昂ぶるまま。自然と湧き起こる笑い声も高らかに、ほころぶ笑顔も誇らしげに。
白い墓石と芝生の間をすり抜け、あっという間に丘を駆け下りて行くアプリコット。
残された一同、呆気に取られ、ただ顔を見合わせるばかり。
肩をすくめるフローク。
皮肉そうに口の端をはねて笑うタッティ。
茫然と見送るオッター。
おかしそうに顔を見合わせるミーシャにマリー。
バタバタと、一同の上を飛び回るスピーク。
「アプリ、待って!」
思い出したように、フロークがアプリコットを追いかけていきました。
つられて、後から一同、彼女を追いかけていきます。
後に残された白い墓石の群れ。風にそよがれ、芝生の草々が揃って手を振っています。
おばさんの墓に添えられたオレンジのガーベラが、風に舞って青空へと飛び出しました。
「この生命、羽ばたいて」 完
手に触れる波のこころ 誰も知らない
花添えた丘の声 誰も知らない
生まれた街が 小さく見える
卒業の春がゆく
二十世紀の果てで育った 父や母の愛で・・・
ひこうき雲の空の下 夢見つめて来た
例えば恋 例えば未来
胸に抱きしめながら
見つめ合うあなたの祖国(くに) 私は知らない
のぞき込む青い瞳 優しいけれど
嵐の夏を いくつも越えて
巡り逢えたふたり
豊かな国の南遥かに 風が運んだ愛で・・・
星の願いがかなう夜 教会に咲いた
桜に寄せて 交わした誓い
胸に抱きしめている・・・
打ち寄せる波のこころ 今は知らない
野を染めて黄昏てゆく 悲しみさえも・・・
海原をみる 老人の影
穏やかに過ぎる現代(いま)
生命の意味を確かめている 古い杖の先で
私もやがて母になり 夢伝えるだろう
明日を生きる 子供(たびびと)たちに
いつも微笑みながら・・・
いつか波のワルツを・・・
亜波根 綾乃「ひこうき雲の空の下」
あるところに、小さな村がありました。
流れる小川はその日の潤いと生きる糧を、豊かな土はパンを、生い茂る木々は憩いの家と小鳥達の歌を、村人達に与えてくれました。
贅沢に過ぎず、貧しさに落ちず。隣に病の人あれば見舞って元気を与え、困りごとあれば顔を突き合わせて考え抜く。
憂い事は村の端々まで水で薄めてしまい、歓び事は水の恵みのように皆で分かち合う。
水と森と、人の豊かな村。そこに住む人々は、いつしか呼びました。
ボスコの村、と。
今日も、村は晴れた良い天気。穏やかな陽の光が、村の広場を、そこに集う人たちを分け隔てなく照りつけています。
一段高い樹の上で、集まった人々に教えを説くアウル爺さん。
その後ろで、気に入らない話にはブツブツ文句を、気に入った話には求めてもいない余談話を挟むクロウ爺さん。たまに出る二人の言い合いを、集まって聞いている人たちはやんやと笑って囃し立てます。
そこから少し離れた遊び場で、木で作り上げられたシーソーやらブランコやら、遊びに笑い声の絶えない子供たち。
Catch me a dream! feel the music in me
Everybody dance! la la la〜
This is our chance! more dreams to me
Going on・・・
いつでもIt`s OK more faith 今がchance!chance!
Stand up Stand for your life さあ立ち上がろう We can do it again
Stand up 君の前に広がる輝く道がある
Stand up たとえ何かにつまづいたとしてもRolling Stone
Stand up Stand for your life 自分らしく歩けばいいよね
Stand up 最高の時間与えてくれた君に感謝
Stand up! 倉木麻衣「Stand up」
広場でバンド、コーラスを従え、弾ける笑顔で歌うMai−K。求める歌を歌える歓び、求める歌を聴ける歓び。L・O・V・E、両手をかざして叩き歌えば、会場が一体となります。
家の居間で、自慢のお茶をお客様に振舞っているネズミの3姉妹。3人とも、小さくてその上すばしっこいから、村の人はそう呼ぶのです。目下、独身。
川で、生業の洗い物に余念のない゛アライグマ゛。
水を打ったような静けさの中、森の木々の間に間にひっそり水を湛える池。降り注ぐ陽の光が水面と、透き通った池の底の砂や魚を照らします。
森の木に耳を当て、木の中の水の流れる音に耳を澄ます親子。
森の中を、やはり木製の手製バイクの競走に興じるラビィとヘッジー。恋人のジェニーが、二人の疾走を楽しそうに見物しています。ぶつかりそうになったり、勝ったり負けたりで、笑ったり怒ってみたり。
そのうち、ラビィがジェニーを後ろに乗せて、3人でどこかに行ってしまいます。
そして・・・
とある一室で、手紙をしたためている一人の女性。
窓からは、暖かい日の光が差し込みます。そこから見えるのは、一本の大きな樹と、その周りで遊びに夢中の子供達。
その光景を一眺めして、彼女はまた筆を進めます。
愛するママへ
こうして、お手紙を書くなんて、初めてだよね。何だか改まっちゃう。
あれから、結局ママとは会えないままだけど、元気でいますか?
私、もう結婚しました。この世で一番、頼りにしていて愛することのできる人と。ママがパパと結婚した時も、今の私と同じくらい幸せだったのかな?
その頃のママとパパと同じくらいの年になって、私も思うことがあります。私の今住んでいる村は、子供達も一杯いて思うことなんだけど、親が子供を思う心ほど、深く強いものはないんだって。女の子だったらなおさらだね。今の私にはまだ子供はいない けど、私に寄ってきてくれる子供達に接する度に思います。あの頃のママも、私に思っていた心は同じくらい?もっと強い?
昔ほどじゃないけど、正直、またママに会いたくて仕方ない時もある。でもその度に思うんだ。一緒だったときの想い出を。泉のお花畑によく連れて行ってくれたこと、ママ覚えてる?ママにとっては何気ないことでも、子供はいつまでも楽しい思い出として心に残してるもんなんだよ?他の子供達みたいに、私とママは長くは一緒にいられ なかったけど、そのことをママは気にしてない?だったら心配しないで。その分だけ、 ママといた時の想い出の一つ一つが、私のかけがえのない宝物になっているから。
私の生まれた時には、パパはもういなかったんだけど、ママは言ってたよね?
誰よりも勇敢で、誰よりも温かくて、それでママがパパを好きになったんだって。
きっと今の私と同じ気持ち?そして私の愛する彼は、パパと同じくらい勇敢で、温かいのかな?何だか、すごく会ってみたいです。もちろんママもね!
今は会えないけど、私が出逢ったある人が言ってました。その人のことを思うとき、例え姿は見えなくても、いつでも一緒にいられるんだって。今、ママはどこにいるの?パパと一緒なのかな?でもこころは、いつも私と一緒だよね?そう、信じています。
もし、今ママがどこかで私のことを気にかけているのなら、心配しないで。
私は今、とても幸せです。充ち足りた気分。アウルさんやクロウさん、ねずみ3姉妹(おもしろいあだ名でしょ?)のような、親切で気さくな村の人たち。ラビィにヘッジイ、ジェニー達のような、何も飾らずありのままでふれあえる友達。ここまでの旅で巡り逢えた、かけがえのない親友。タッティ、オッター、そして私の愛するフローク。
そして、村の子供達。私を愛してくれる、私の愛する人たちに囲まれて。だから、心配しないで。
いろいろあったけど、私はとても元気!
いつかきっと会えるよね?信じてる。今はその時まで、
don`t say good-bye, I say hello!
愛する娘、アプリコットより
ペンを置くアプリコット。その手で、そっとお腹を撫でました。
それから、封を閉じます。住所も書かず、切手もあえて貼らず。
後ろに気配を感じて、アプリコットは振り返りました。
「・・・手紙を書いてるの?」
いたわるように尋ねるフローク。頷くアプリコット。
「お母さんへの手紙?住所も切手もないけど、届くのかい?」
不思議そうに尋ねるフロークに、アプリコットは笑って答えます。
「だから届くの。どこにいるか分からないけど、こうすればきっと届く気がするから。」
「ふーん・・・」
合点がゆくような、いかないようなフロークの表情。
「・・・できた。じゃ、出してくるね。」
アプリコットは、住所のない手紙を手に、ゆっくり立ち上がりました。
歩いていくアプリコットの後に付いていくフローク。
ポストの前に立ったアプリコット。住所も切手もない手紙を、祈りをこめてポストに入れます。
届くはずのない手紙、きっと届く手紙。
「アプリ、誰への手紙!?」
目ざとく見ていたジェニーが、子供達が、彼女に群がって尋ねます。
楽しそうに、笑って答えるアプリコット。
「ん?ママへの手紙よ。」
「へ〜、アプリのママ?」「どこにいるの?」「どんなママなの?」「きれいなママ?」
「ねえねえ教えて!」
口々に尋ねる子供達の頭を撫でつつ、アプリコットは答えます。
でも視線は、どこか遠く。
「遠いところにいるわ。でも、やさしくて強くて、きれいなママよ。」
そして、目の前の女の子を抱きしめて言います。
「・・・みんなのママみたいにね!」
さも嬉しそうな笑い声を上げるその女の子。他の子供達も、私も僕もとせがみます。
やんわりと遮るジェニー。
「ほら、みんな。もう、お昼ご飯の時間でしょ?ママが待ってるよ?早く帰ろう?」
そして渋る子供達を、家へと追い立てていきます。
丸太で作られた家へと、それぞれ帰っていく子供達。
「・・・ねえ、アプリ。」
思い出したように尋ねるジェニー。行きかけたアプリコットは振り返ります。
にこっと笑うジェニー。
「お子さん・・・いつ生まれるの?」
嬉しさを隠し切れない様子で、アプリコットは答えます。愛しそうにお腹をそっと撫で。
「できたって分かったばかりだもん。まだまだ先よ。でも、1年もかからないと思うわ。」
「男の子かな?女の子かな?元気な子だといいね!すっごく楽しみ!」
自分のことのように喜ぶジェニー。
そのまま、バイバイ!と手を振って別れます。
アプリコットとフローク。どこへ行くでもなく、村を歩きます。途中、出会う村の人と一人一人挨拶を交わしつつ。二人一緒なのを、何度冷やかされたでしょう。
あちこちから漂ってくる食事の匂い。食事用の水を運びゆく人、食事の用意にいそしむ人、子供達にご飯を食べさせる声、おかわりをせがむ声、そこかしこの家で響く茶碗の音、まに皿の割れる音と怒る声・・・
この時間はいつものことながら、一番の活気に満ち溢れています。
その様子を、楽しそうに見ながら歩くアプリコット。後ろで見守り歩くフローク。
フロークが言ってた通りだわ。そして、私が夢見てた未来。
みんなが同じ笑顔で、力を合わせて、今日を精一杯生きる。
今私は、そのボスコの村にいる。私、こんなに幸せ!
でも・・・
「ねえ、フローク。」
不意に立ち止まり、アプリコットが呼びかけました。
後ろで立ち止まり、彼女の言葉を待つフローク。
一呼吸、置いて、
「私達・・・幸せになれるかな?」
背を向けたまま、尋ねるアプリコット。
満ち溢れんばかりの幸せを前にした、一抹の不安。幻のような幸せ。その向こうには何があるの?
彼女の一欠片の不安を、フロークは感じ取りました。
すかさず彼女の前に回り、彼女の手を取ります。とびきりの笑顔。
「僕達で、幸せにしようよ!僕も、アプリも、生まれてくる子供も、みんな一緒さ!」
力強い言葉。握り締めた手と手の温もり。彼の笑顔。
一体、何を迷っていたのでしょう。
今、アプリコットの中で、一点の陰りすら消え去りました。
「・・・そうね。私達で、幸せにしようね!」
今は、何の迷いもなく頷くアプリコット。
彼女もまた、とびきりの笑顔で言いました。
「ねえ、おなか、すいちゃった。早く帰ろう、私達の家に。」
「そうだね・・・帰ろう、僕達の家に。」
肩を寄せ合う二人。どちらからとなく、つないだ手を握り締め。
今はふたり半、やがて三人、四人に、幸せもまたそれぞれの先に・・・
その先の家路へと、今ふたりは歩き出しました・・・
Will・・・未来へのプレゼント
あ〜,しんどかった!!
な〜んてウソ!時間はかかったけど、ちょっとは自分の納得できるものができたんじゃないかなと思い直しています。
僕の中での、ボスコ3部作、ようやく完成です。皆さんの中ではここでのボスコの世界はどう映っていることでしょうか。ZZ−Japanさんのボスコサイトでも書いたけど、これが17年前のままではなく、僕にとってのこれからのボスコの世界なのです。風は感じましたか?色の風景を見て取れますか?空気は薫りますか?そして何より、大いなる聖地を、ボスコの世界を感じ取ってくれましたか?
それと、大きな作品に仕上げたくて、いろいろ小難しいことを書いていましたね。
まぁ、僕が今まで思ったことを思いつくままに書き連ねてみました。別に宗教とは関係ございません。別に僕はクリスチャンでもありませんので。
今回は、アプリコットをかなり泣かせてしまいました。でもその後、もっと素敵な彼女にすることができた(かな?)と思います。そんな彼女に、「TOMORROW」 を贈りたいと思います。
涙の数だけ強くなれるよ
アスファルトに咲く 花のように
見るものすべてに おびえないで
明日は来るよ 君のために
突然会いたいなんて
夜更けに何があったの
あわててジョークにしても
その笑顔が悲しい
ビルの上には ほら月明り
抱きしめてる 思い出とか
プライドとか 捨てたらまた
いい事あるから
涙の数だけ強くなろうよ
風に揺れている 花のように
自分をそのまま 信じていてね
明日は来るよ どんな時も
明日は来るよ 君のために
ところで皆さんの歳って、そろそろ結婚適齢期の方が多いですよね?(あ〜、いつしか歳くっちまったもんだ!)ご自分の結婚とか、考えたことってあります?
僕はね、相手の人は自分と波長が合えば特に言う事ないかな。もちろん、最低限のルックスは求めたいですけどね。あと、音楽とファッションが好きな方なら最高だな。ナンバシティのジャン・ポール・ゴルチェですごい綺麗なロングコート見つけました。前は真っ白、今度は黒。「マトリックス」みたいな。10万円するけど、これが皆さんの目に留まる頃にはゲットしてるかもね。
それとね、自分の子供をどう育てたいかって、最近意識するんですよ。僕はね、何かを造り出せる人に育てたい。デザイナーとか、ね。要するに、アーティストに育てたい訳です。アーティストが自分の仕事に打ち込んでいる姿、シンガーが本当に楽しそうに歌っている姿を見ているだけで、こっちまで嬉しくなってきます。うわべだけの可愛さじゃなく、本当に自分の仕事に納得して楽しめるアーティストこそ、僕は尊敬します。
国や生まれ、豊かさ貧しさ、言葉や思想や肌の色、いろんな境はありますが、音楽の前では人は正直です。ノリノリの音楽で心の昂ぶるままに、歌って踊って叫んで、わだかまってる壁なんかブチ壊してしまえ!その向こうに、別の世界がきっとあるから。
僕に、その方向に気付く早さと才能がなかった分、その夢を託したいかな、なんてね。あとは、人を思いやれる人に育ってくれたら言う事ないです。
あ、そうだ。この場を借りてお伝えします。3部作の中で紹介した歌を、テープにまとめようと思います。ご希望の方がいらっしゃるならお送りしますよ。郵送の形になると思いますけどね。もしそれでよろしければ、メールか何かでご連絡下さいね。
ここで、少し種明かし。作品で出てきたヴィーゼンベルクは、中世ドイツ大学の町、ハイデルベルク辺りかな。チロルの村は北海道の美瑛、高原の峰々はアルプス、その滝はベネズエラのエンジェルの滝を使わせて頂きました。
さっき、南極での皆既日食の映像を見ていました。ボスコが放映されていた頃も確かありましたよね。゛太陽の指輪゛見ましたよ。生で見たら、ホント神秘的なんでしょうね。それを、これを書いている時にねぇ・・・正直、嬉しかったし懐かしかった。
久しぶりに、ボスコの最終話を見直してみたいなと思います。
あと一ヶ月もしないうちにクリスマスですね。その時、皆さんの隣にいる人は誰ですか?僕にとって二十ウン回目のクリスマス。サンタの存在を信じて疑わなかったクリスマス。友達や知り合いと過ごした賑やかなクリスマス。家族と水入らずの温かなクリスマス。初めて、大切な女性(ひと)と過ごしたかけがえのないクリスマス。一人っきりのlonely christmas。
その中でも、ボスコに想いを馳せていた少年期のクリスマスが、僕にとって最初の原点のような気がします。懐かしさと、切なさと、温かさと。
今年も、華やかな鈴の音がすぐそこまで聞こえています。平和な国も争える国も、豊かな国も飢える国も、等しく神の祝福がありますように!
とりあえず、僕の作品はここまで。書きたいことの8割は書けたかな。あとは、皆さんのサイトを静かに見守っていこうと思います。たまに書きたいこととかカキコミしたりしてね。そんなワケで、よろしく!
Good−luck!
2003.11.28. herr Blau von Meer
Don`t say good-bye, I say hello
長い間悩んでる事柄 降りしきる雨 君の夢でさえびしょ濡れになって
とりとめもない会話も 虚ろな電話の声を聞いたよ
居心地の良くないイスに座ってる 今の自分を愛せないままで
飛べない鳥のよう
君は静かな一日の中で たった一つの彩りも失くした
行く場所がない せめぎ合う時代のエッジに立ちながら
訪れる新しい夜明けに 愛する女(ひと)がいる
Don`t say good-bye, I say hello
これまでの挫折という事柄 冷静に捉えたりする先に真実が見える
心かよわす大事な場面で しくじる僕が僕を苦笑する
長い月日と忘却の果てに「生きるとは知る事」と学んだよ
大人になっても
どんなに・・・どんなに永遠を願っても やがて虚ろいやがて逝くのだろう
失われた平和の彼方には無言の闇がある
思い出して 本能の優しさ 究極の温もりを
出逢った日の空を僕は忘れない 希望に満ちた虹のかけ橋
君の肩に乗せた絶望降ろして 時の無常に戦いを挑め!
うまく伝わる自信もないけど とりあえず長い手紙でも今 君宛に出すよ
それを読む頃 ステージの上で僕は大声で叫んでるだろう
金がものを言うこんな時代でも 殺伐とした空気の中でも
誰かの痛みを 優しさの上手な使い方で取り除いている君を見ていたよ
忘れないで 人生のピークはまだまだ先にある
いつの時も いつの日も 自分の弱さかばいながら
Don`t forget precious, you`re loved
by your Dad、by your Mom , by your Sisters & Brother
Now and forever more than ever
we`re King,we`re Queen
we`re Fighters & Dreamers
GLAY「Friend of mine」
どんなにつらくても 夢をあきらめないで・・・
いつか話してくれたよね
夕暮れのベンチで・・・
小さい頃からの夢
素敵だと思った
あの日の あなたの瞳
強く輝いていたね
くじけそうな時 悲しい時
いつもあなたに勇気づけられた
どんなにつらくても 夢をあきらめないで
きっと叶えられる 信じているから
泣きたい時は ねぇ 我慢しないでいいよ
忘れないでいてね 一人じゃないこと
街はもうイルミネーション
あふれる恋人達
あなたを想えば想うほど
言葉 見つからない
歩道橋 手すりにもたれて
「大丈夫」と笑うけれど
寂しい横顔
ポケットでつないでいる手を
ギュッと握りしめた
どんなにつらくても 夢をあきらめないで
誰よりも あなたを 想っているから
泣きたい時は ねぇ 我慢しないでいいよ
切なさも あこがれも 分け合いたいから
どんなにつらくても 夢をあきらめないで
誰よりも あなたを 想っているから
泣きたい時は ねぇ 我慢しなくていいよ
あなたのこと 守ってあげたい
愛してる・・・
岡本 真夜「Will・・・未来へのプレゼント」