ブランデー・その他説明

1.コニャックは、フランスの西南部。地図で言うと中央より大西洋側に下がったあたり。アルマニャックは、それよりもっと下がったところ。内陸部でピレネー山脈に近い。答えはAです。

2.答えはCのグランドシャムパーニュで、シャムパンを生み出す地方とは全く関係ない。シャムパーニュの呼び名自体は同じだが、この言葉はもともと「野原」ないし「広々とした国」という意味。古代、ヨーロッパ全体が森林でおおわれていた頃、この二地区は比較的早くから平地化していて、その名前のもとになったのでしょう。なお、グランド・シャムパーニュの次の階級がプチ・シャムパーニュ、そしてボルドリ、ファンボア、ボワ・オルディネール地区と続きます。

3.答えはAです。アルマニャックでは古いもので、ド・モンタル、マトキ・ド・アニバン、アルセル・トウレプが17世紀に創業。コニャックでは、マーテルが1715年、レミーが1724年、ヘネシーが1765年、オタールが1795年、ビスキーが1819年、カミューが1863年、クロバアジェが1835年、デラマンが1759年。ちなみに、アルマニャックのシャボーは、16世紀、フランソワ1世の時代に、初代海軍元帥になった、フィリップ・ド・シャボーの名にちなんでいる。元帥は、自分の専断に積むワインが、長い航海の間に変質するのに悩み、蒸留してから積むようにしたそうである。それ以来、アルマニャック地方のシャボー一族の領地から産する葡萄はすべて蒸留されることになった。

4.一応答えはAです。なぜなら、これらは本当は各製造業者のラベル用表示に過ぎないからです。が、一応まずスリースターが一番下の等級で、「コニャックであるぞ」と名乗れるために身につけなければならない最低基準になっている。この手のものなら、ソーダーで割ろうが、カクテルの材料にぶち込もうが、誰も文句は言わない。その次が、VO(very old)とVSOP(very superior old pale)で、その次が一応日本人が好きなナポレオン、そしてXO(extra old)、コルドン・ブルーがややその上を行くらしい。ちなみにカミューでは、XOの上に、エクストラなるものもあってややこしい。

5.答えはBです。コニャックはポット・スチルを使って二回蒸留する。よく写真などで見かける、底部がチュウリップのようにふくらみ、首が長い型のもの。単式蒸留器とも呼ぶ。これを使うと能率は悪いがよいブランデーができる。なお、スコッチ・ウイスキーのモルトもこれを使っている。アルマニャックは連続蒸留器で、1回蒸留する。歴史的にはアルマニャックの方がコニャックより200年近く古いらしい。地理的には、ボルドーを挟んで、北がコニャック地方、南がアルマニャック。

6.まずは砂糖。ただし2%まで。次にカラメルこれも2%まで。そして樫材の削りくずを放り込んで、漬けておくこと。これは制限無し。もっとも、これらは公表して自慢できることではないですね。答えはB、C、Dです。

7.コニャックを樽に詰めて熟成させていると、樽材の気候を通して一部が蒸発する。この蒸発して目減りする分のことを天使の分け前と言います。一樽では大したことはないが、全体だと年間数百万本が空中に消えてしまう。

8.もともと、オランダ語のbrandewijnが英語のbrandwineやbrandy-wineになった。このオランダ語のbrandeは英語のburunt、つまり「燃した」という意味に当たり、蒸留したことを指す。フランスのコニャック地方で、この酒の貿易が始まりだした初期の頃は、英国よりオランダの方が貿易上大きな支配力を持っていたのだ。

9.A、B、Dはワインをとった後の葡萄の搾り滓−葡萄の皮・果梗・種子など−を蒸留して造ったもの。Aがイタリア語で「締め付ける」とか、「悪徳、悪癖」という意味。カリフォルニアで造られているこのタイプのものも、この名前を使っている。Bはペルー語。ピスコブランデーの歴史は古く、17世紀初頭にまで遡れる。Dはフランス語で「踏みつぶす」という意味でもある(動詞の「marcher踏む」から来たそうです)正しくは、オー・ド・ヴィード・マール。Cのピンガがブラジルの砂糖きびから造る蒸留酒で、これがはぐれものです。

10.ヘリコプターです。倉庫の酒樽から蒸発する酒気が屋根の瓦にしみこみ、これが好きな黒い黴がつくから、一目でわかる。

11.発酵の途中、ということは、葡萄果汁の糖分が完全にアルコールにならないうちに、葡萄から作ったブランデーを加える。するとこのワインになりかかったものは、発酵が止まるから甘味が残る。しかも加えたブランデーのためにアルコール度は高い。答えはCです。

12.大ざっぱに言って、D−C−B−Aだと思うのですが、時には甘口のアモンチラードとか、辛口のオロロソと言う、へそ曲がりもいるらしいのです。

13.みんな正解です。

14.Aのflor(フロール:花の意味)が正解。ヘレス地方固有の現象で、いまもって、こうした現象の生まれる理由が説明できないそうです。ちなみにfusel(フーゼル)は、アルコールの精溜に際して捨てる油分。これから意味が拡がって、味の悪い蒸留酒をフーゼルと呼ぶこともある。froidは冷気。冷気と温度差は昔から、アルコールの質を改良し、その熟成を速め、澄んだものにし、あるいはある種の悪臭を消すために利用されてきた。冷気により、アルコール混合液を安定させたり、脆弱なアルコールに時々ある濁りを防止することができる。濃い色の付いたガラスボトルを使うのはそのためである。冷気による処理の根本は瓶に詰める前にアルコールにショックを与えることである。冷却液を通して一挙に零下10度下げた後、釜でゆっくり温めたりする。アルコールの濾過は、非常に低温で行うこともあれば、温め直してから行うこともある。この処理は、ある種のフルーツブランデーや一部のモルトウイスキーの場合用いる。

15.答えはAです。ヴィンテージ(vintage)は、本来葡萄の収穫期、収穫量を意味する言葉だったが、ワインの世界では年々の作柄、又は傑出した年を指すようになった。したがってヴィンテージものは総生産量の2%くらいにしかならないが、商売としては結構儲かるわりの良いものになることは確かだ。

16.答えはAです。樽で寝かした後、ゆっくり瓶の中で熟成してモノがよくなる。10年から15年位すると飲めるようになるが、それから後でも熟成を続けるのだ。と同時に、瓶のなかでは澱(オリ)がたまってくる。

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