１８世紀に、ロシア文学は著しい進歩を遂げた。

　 　１．国独自の文化と国民の芸術的作品が創造され発展した。進歩的作家たちは、民衆の生活に民衆の言葉に大きな注意を払い、社会的関心に明確に応えた。

　２．１８世紀の最も優れた作品においても、古代の文学においてすでに生じていた著しい特徴が発達し続けている。思想性、愛国主義、民族性、そしてとりわけ、ラジーシチェフから始まる進歩的文学は、革命的解放運動と緊密に結びついている。博愛、愛国主義、民族性といった思想は、進歩的作家たちすべての作品の中を貫いている。（ロモノーソフ、フォンヴィージン、ノヴィコフなど）一方、ラジーシチェフの書は、革命的内容で満ちている。

　３．進歩的文学特有の特徴は、ラジーシチェフの革命的書において、１８世紀終わりに特別な権力を行使した現実と批判的関係にある。このことと関連して、生活の現状に深く真実の光を照らそうとする志向が発達する。

　４．芸術の特殊な形態として、文学の成長に注目する必要がある。文学的傾向が現れ、演劇理論（драматургия）（悲劇と喜劇）、叙事詩（物語文学）（中編小説、旅行記など）、抒情詩が発達する。作家としての技量を高めるために、彼らは意識的に作品の中で、形式と内容との一致を目指し、文学言語を完全なものにしようと努め、構成と詩の問題とを詳しく研究する。私たちは、それを、１９世紀前期に見ることになるが、作家たちの芸術的技量の急速な発展は、１８世紀の作家たちによって達成された成果に著しい準備がなされていた。ロモノーソフ、デルジャーヴィン、フォンヴィージン、ラジーシチェフは、１９世紀初めの多くの作家たちの教師である。その中に、天才的ロシアの詩人、プーシキンも含まれている。