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MUSICA MUNDANA NO.27
Apr.30.2003
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◆ 目次 ◆
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◎ 音楽史
ギリシア--記譜法
◎ 数学史
ギリシア--その他の人々
◎ Homepage Updated (Apr.30.2003)
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◎ 随想
◎ あとがき
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━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ギリシア--記譜法◆
アリストクセノスは、「古典」ギリシアの最後の理論家でありました。
彼以後、音楽について著述しているギリシア人は、紀元1−2世紀まで
現れません。しかも、その頃になりますと、ハルモニストというのは数
学者であって実際の音楽には関心を持たなくなってしまうのです。そし
て、自分たちの発言のためには、アリストクセノスの見解と矛盾してい
る時でも、平気で彼の権威を利用しているのです。
アリストクセノスは、また、記譜法にも触れているのですが、体系的な
ものには何も触れていませんし、説明もしてくれません。さらに、その
時代に記譜されたものは何一つ残っていないのです。最古の現存するギ
リシアの記譜は、ウィーンのライナー大公のコレクションの中にあるパ
ピルスに保存されている削り取られて不完全になった小さな断片で、エ
ウリピデスのオレステスの合唱から取られたものだということです。
これを読むには、アリピウスの「音楽への誘い」(A.D.350年頃)の表を
用いるのが通例になっていて、これには、「楽器の」と「声の」との二
つの記譜の方式が与えられています。
ギリシア人たちは、韻律とは別のものを示す記譜法は持っていませんで
した。彼らの音楽には、詩の韻律の基盤があったために、それを必要と
しなかったのです。しかし、その記譜のお陰でオレステスの断片は「声
の」記譜法で、二世紀後半のデルフィのアポロンの讃歌は、一つは「声
の」記譜法で、一つは「楽器の」記譜法で、おおよそながらこんなもの
だろうと読むことができるのです。
とは言っても、これらは「ヘレニズム時代」のギリシア音楽であり、古
典期のものではないことは心に留めておいてください。
━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ギリシア--その他の人々◆
ソクラテスの次はプラトンといきたいところですが、その前に、この時
代、数学に関係する何人かの人に触れておきます。
アルキメデスは、彼の著作の中で、デモクリトスは、同じ底面で同じ高
さの円柱の体積と円錐の体積との関係、同様に角柱の体積と角錐の体積
との関係を最初に示した人物だと述べています。彼が、明らかに微分法
に触れいるにも関わらず、ギリシア人には何の影響も及ぼさなかったよ
うに思えます。プラトンは、デモクリトスの著作はすべて焼かれるべき
だと思っていたのではと言われています。これが本当かどうかは分かり
ませんが、プラトンのどの著作にもデモクリトスは触れられていません。
ピロラオスは、ピタゴラスの秘儀を公にした最初の人物と言われていま
したが、最近の研究では、ピタゴラスの教説の多くは、彼によるものだ
ということです。
ヒッポクラテスについては、様々な話が語られています。その中に、商
人としては成功せず、後にピュタゴラス派の哲学者になり、特に数学に
興味をもっていたというのがあります。彼は、曲線で囲まれた図形、直
角二等辺三角形の斜辺を直径とする半円と二辺をそれぞれ直径とする円
を描いた図の曲線に囲まれている部分の面積がその直角二等辺三角形の
面積と等しいことを証明します。
アリストテレスは、アンティフォンあるいはアンティフォという名のギ
リシアのソフィストに言及しています。彼は、正多角形を円に内接させ
辺の数を二倍二倍とし続けることで、最後には辺は円と一致すると信じ
ていたように思えます。これは見方を変えれば、多角形と円との間の面
積は、辺の数を二倍四倍とする過程を繰り返すことで埋め尽くされるこ
とになります。これは微積分学--真剣に考えられるようになるまで2000
年待たなければならなかった数学--の発展の第一歩と考えられるでしょ
う。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「人間の脳(頭)は、普通に考えると間違えるようにできている。だか
ら、如何に間違えずに正しく考えることができるか考えることが重要に
なる。」
別に、誰か有名な人の言葉ではありません。私が、常に考えていること
で、「人間の脳(頭)は、普通に考えると間違えるようにできている。」
ということに関して、科学的な根拠はありませんが、経験上そういえる
のではないかと思っています。
数学は、何の役に立つのかというところで、この随想でも述べたと思い
ます(No.3)が、ギリシアの哲学者のプラトンにとっては、「正しく考え
ることの基本、論理的に考えるために最もよい訓練法は、幾何学を学ぶ
こと」でありました。
特に、中高生に幾何を教えるときなどは役に立つのではないかな、と思
って、中3の教科書をみてみますと、な、なんと円がなくなっているで
はありませんか。去年からの新しい指導要領に基づく教科書なのでしょ
う。
ネットをサーフしていますと次のような本を見つけました。なんとなく
面白そうなので紹介しておきます。読んでいませんので、コメントはで
きませんが。
『なぜ初等幾何は美しいか〜三角形幾何学』
Yvonne et Rene Sortais著 戸田アレクシ哲訳 東京出版
--宣伝文引用--
フランスの名著,待望の日本語訳
フランスのロングセラー「三角形幾何学」を日本のみなさまにお届け
いたします。
この訳本の原著「三角形幾何学」は、フランスでは定番の幾何の教科書
です。フランスは日本と違って、初等幾何を学問の基礎として、また教
養として大切にしている国です。この本に紹介されている定理で、未だ
日本では知られていない定理も少なくありません。
見開きの2ページで証明される小さい補題を積み重ね、章ごとに大きな
定理に到達する読みやすい構成。美しい定理の数々を、原著のとおり2色
刷りで再現。紙面から香り立つ幾何学の美をご堪能いただけます。
問題集として読み進めるもよし、補助線のマジックを鑑賞するもよし。
この本を読み終わったとき、初等幾何はなぜ美しいかという理由が、あ
なたの心の中にくっきりと浮かび上がってくることでしょう。
--宣伝文引用終わり--
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イラク戦争も終結宣言はまだ出ていないようですが、もう終わりですね。
心配したほどの長期化は避けられてよかったと思いながら、イラク側の
犠牲者は結構な数にのぼっているようです。残念な事ですが、文化財の
略奪もあったようですね。(戦争とはこんなものかも知れませんが)
中国では、SARS感染者死亡者が急増しています。日本も対岸の火事では
ないという認識が広まっているようです。(HIV の感染者の爆発的増加
も最近のニュースでは取り上げられていますが。)
14世紀のヨーロッパの百年戦争と黒死病とがふと思い出されて、今後、
世界がどうなっていくのか、いろんな意味で気になるところです。あま
り気にしすぎるのは何ですが、有る程度の覚悟はしておいた方がいいの
かもしれません。
ホームページですが、個人的理由で、音楽史、語学などでアクセスを禁
止にしたページがあります。申し訳ないのですが、ご了承ねがいます。
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