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 「MUSICA MUNDANA No.24」をお届けします。

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           MUSICA MUNDANA NO.24
             Jan.30.2003
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             ◆ 目次 ◆

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 ◎ 音楽史
    ギリシア--アリストテレス
 ◎ 数学史
    ギリシア--ピュタゴラス(その2)
 ◎ Homepage Updated (Jan.30.2003)
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 ◎ 随想
 ◎ あとがき
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━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆ギリシア--アリストテレス◆  

 プラトンの後ですから、当然、アリストテレスと言うことになりますが、
 アリストテレスの音楽論は、一般的にプラトンほど知られてはいないよ
 うな気がします。

 ピュタゴラス(派)の音楽観には、根本に「数の秩序と調和」という認
 識論があるのに対して、アリストテレスのそれは、人間の感性、人間が
 受ける心理的効果の方により重点があります。ピュタゴラス(派)の音
 楽観が宇宙論的で人間の外の法則として音楽を理解するのに対して、ア
 リストテレスは、人間の内側に向かう人間主義的なものと言うことがで
 きるでしょう。

 アリストテレスは、プラトンの弟子として、音楽の倫理的力と教育での
 音楽の重要性(「政治学 viii」)を認めてはいるのですが、アリスト
 テレスは、器楽音楽だけを純粋に受け入れようとしたようです。彼は、
 音楽の倫理的力は、言葉によるのではなく感性に直接訴えるものだと考
 えました。

 また、倫理的影響力は、喜びを与える力より重要であることには同意す
 るのですが、一般の人々と専門家の違いも認識していました。アウロス
 に対して、プラトンは軽蔑しか持っていなかったようですが、アリスト
 テレスは、それは専門家(巨匠)の音楽であるのだから、一般の人々は
 学ぼうとしてはいけないし、一般の人々の目的は、第一に歌を歌うこと
 であるから、伴奏楽器としては、これも専門家の楽器であるキタラより
 簡単なリラの方が好ましいという言い方をしています。

━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◆ギリシア--ピュタゴラス◆

 ピュタゴラスについての様々な著述家の相反する主張にもかかわらず、
 ピュタゴラスの哲学は、東方との接触があったことを示しています。東
 方の神秘が、ピュタゴラスの教えすべての中に現れているのです。彼の
 数の神秘主義は、それ以前のバビロンで発見されたものに非常によく似
 ていますし、彼の哲学全体が、ギリシアのものというよりはるかにイン
 ドの香りがするのです。

 ピュタゴラスの名が付せられている有名な幾何学の定理は、すでに述べ
 たように、インド、中国、エジプト(?) で知られていました。彼のため
 に主張できることは、その一般的証明を最も早くしたのではないかとい
 うことだけです。

 何年かの放浪の後、彼は、マグナ・グラエキアと呼ばれていた地域にあ
 るクロトナに定住します。そこで、富裕な一族の若者たちに教えを説き
 ました。その神秘に満ちた教えは、多くの富裕な若者を魅了し、彼らを
 集めて教団を設立します。

 彼の教えは、口伝でした。ピュタゴラスの教義については、私たちは、
 主としてロードス島のエウデモス(Eudemus)(BC335年頃)に負うています。
 彼の著作は失われてしまったのですが、後の著述家によって引用された
 ものが保存されていることから、私たちには知られています。

 また、クロトナのピロラオス(Philolaus)、プラトンの友人、タレントゥ
 ムのアルキュタスその他後の著述家たちの著作の多くから、私たちはピ
 ュタゴラスの教義について知ってはいます。

 しかし、最近の研究では、本当にピュタゴラスにまで遡れるのかは極め
 て怪しいと言うことです。(遡れるものは何もないと言うほどです)
 (「ピュタゴラス派--その生と哲学 B.チェントローネ 斉藤憲訳 岩
   波書店 2000」参照)

━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「おまえを見ていると、おれの信仰までぐらつきだし、
  人間のからだのなかに動物の魂が宿るという
  ピタゴラスの説を、つい信仰したくもなってくる。
                     (小田島雄志訳)

  (Thou almost mak'st me waver in my faith.
   To hold opinion with Pythagoras
   That souls of animals in fuse themselves
   Into the trunks of men.) (Merchant of Venice)

 シェークスピアは、魂の移入というヒンドゥーの教えが、ピュタゴラス
 によって受容されたとして、こう述べているのですが、キリスト教の思
 想から見れば異教というイメージなのでしょう。

 「人間のからだのなかに動物の魂が宿るという」ヒンドゥーの教えと言
 えば、われわれ日本人は「輪廻転生」を思い出すと思うのですが、結構
 日常的に浸透している思想のようにも思えます。それほど悪魔的なイメ
 ージはなかったと思うのですが、近代人としてみれば、やはり気味が悪
 いということはあるでしょう。

 ピュタゴラスが若者を集めて設立した教団は、それ以後、ヨーロッパや
 アメリカのすべての秘密結社のモデルとなったそうです。

━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 徳島県立博物館のその他の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
      http://www.museum.comet.go.jp/

━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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 数学史/Smith/第六章/西洋の東洋文明/
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今日(29日)は、朝から雪でした。10センチは積もったでしょう。一面
 銀世界でした。

 20年以上昔、雪が降ると弁当と暖かい飲み物を入れたナップサックを
 背負って雲母坂から比叡山に登ったことを思い出しました。

 それはともかく、こちらはめったに雪が降らないものですから、雪が降
 るとそれはもう大変です。雪国の人から見れば、どうということはない
 のかも知れませんが、皆さん、くれぐれもお気を付けください。

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   ■発行人:文責:相原寛彰   ■発行:相原基礎学習所
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