━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「MUSICA MUNDANA No.20」をお届けします。
[MUSICA MUNDANA]の情報は惣田正明のホームページに載せてあります。
( http://www004.upp.so-net.ne.jp/mysouda/ )
何かありましたら、ここに連絡ください。
( vem13077@nifty.ne.jp )
登録(申し込み)解除はこちらです。
( http://www004.upp.so-net.ne.jp/mysouda/home/home.htm#toroku1 )
━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■■■■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■■■■■■
MUSICA MUNDANA NO.20
Sep.30.2002
■■■■■■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■■■■■■
━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 目次 ◆
----------------------------------------------------------------
◎ 音楽史
ギリシア--ギリシア初期音楽理論(その2)
◎ 数学史
ギリシア--ギリシア数学
◎ Homepage Updated (Sep.30.2002)
----------------------------------------------------------------
◎ 随想
◎ あとがき
----------------------------------------------------------------
━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ギリシア--ギリシア初期音楽理論(その2)◆
前回、ギリシアの分離型テトラコードの話をしましたが、結合型(接続
型)テトラコードというのもありました。
アリストテレスが、「ドリア起源の人々は、アイオリス人とは違って、
分離した音によって二つのテトラコードに分けた」と言っていることか
ら、分離型テトラコードはドリア起源ということができるでしょう。後
には分離型テトラコードが主流になるのですが、この頃までは、結合型
のテトラコードの方が主だったと言うことになりましょうか。
結合型というのは、上の方のテトラコードの第4音(一番低い音)が、
下のテトラコードの第1音(一番高い音)になるところが分離型とは
異なります。現代のピアノの鍵盤で言いますと、d'',c'',b''フラット,
a'',g',f',e' です。(分離型では、d'',c'',b''フラット,a'',g',
f',e'フラット,d')上のテトラコードの第4音(a'')は、メーセ(真ん中
の音)と呼ばれ、最も重要でギリシアの音階体系の中心でありました。
全音階のゲノスの他に、ギリシアには、半音(クロマティック)のゲノ
スと半音以下の音程(エンハーモニック)のゲノスとがありました。半
音のゲノスでは、音程は「短3度、半音、半音」であり、半音以下の音
程のゲノスでは、「2全音、1/4音、1/4音」、あるいは、恐らくもとも
とは「2全音とレイムマ」の二つの音だけではなかったかと言うことで
す。
この2全音は、ギリシアの旋律を後のヨーロッパの旋律とを区別する主
要な特徴の一つで、西洋(平均律)の長3度より少し大きく、私たちに
はより鋭く聞こえるそうです。
━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ギリシア--ギリシア数学◆
前回も述べましたように、ギリシアの計算術であるロジスティックにつ
いては、正確な内容はほとんど知られていませんが、数の理論であるギ
リシアの算術はそうではありません。哲学者たちのテーマとして、哲学
者たちのよって書かれた著作を通して、後のギリシア人によって残され、
現代まで伝えられてきました。その詳細は、初期の時代に伝えられたオ
リジナルのまま、恐らくほとんど変えられていないでしょう。
ロジスティックも算術も、西洋だけでなく東洋でも発達しましたが、論
理科学としての幾何学は、純粋に西洋文明の産物でした。直感的な幾何
学は、普遍的なものであり、発達段階や過程は異なっていましたが、世
界の様々な地域で見られます。
例えば、三平方の定理(ピュタゴラスの定理)は、ピュタゴラスよりず
っと以前からエジプトでは知られていたでしょうし、中国でもインドで
も知っていただろうと信ずるに足る理由があります。しかし、その定理
を最初に証明した、また幾何学的証明という考えを最初に持ったのは、
ギリシア人であると明らかにいうことができます。
実際に、命題の論理的連続と考える私たちの幾何学はすべて、二次元平
面であれ、三次元空間であれ、円と直線に限定されたものであれ、円錐
曲線や高度な平面曲線を含むものであれ、その起源は唯一ギリシア文明
の中にあると考えてよいでしょう。
ギリシアの数学は、あまりに完全なまで幾何学に専念したので、算術も
ずっと後には代数として知られる学問も、ほとんど全く幾何学的観点か
ら扱われました。それで、私たちは、ギリシア数学は、幾何学、算術、
ロジスティック、音楽、そして一種の代数を含んでいるとはいえ、その
中心的要素は幾何学であったと言うことができるでしょう。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前回の音楽史で、分離型テトラコードが現代の西洋の音階の基礎になっ
ているとお話しました。
そこで、今回、ピュタゴラス音律でのテトラコードの弦の長さの比を考
えてみることにします。同じ太さの弦をその比率で張れば、簡単にオク
ターヴ音階が得られるでしょう。
テトラコードは完全4度ですから、その弦の比率は、3:4になります。
全音は、8:9の比率ですから、第2弦は 3 x 9/8 = 27/8 = 3.375 で
す。同じく第3弦は 27/8 x 9/8 = 243/64 = 3.796875 です。
第4弦と第5弦は全音で繋ぎますので、第5弦は、4 x 9/8 = 9/2 =
4.5 です。これが第二のテトラコードの一番上の音で、第1弦との比率
は、2:3となり、完全5度の音程ですね。下のテトラコードの一番下
の音、つまり第8弦は、9/2 x 4/3 = 6 となって、ちょうど第1弦の二
倍、つまり1オクターヴ下の音になるわけです。
第6弦は、9/2 x 9/8 = 81/16 = 5.0625、第7弦は、81/16 x 9/8 =
729/128 = 5.6953125 になります。これで、全音階のゲノスのドリア旋
法による1オクターヴ音階ができあがりました。
音程は、全全半全全全半ですから、普通の階名で読みますと「ミレドシ
ラソファミ」ということになりますか。同じようにして、「ドレミファ
ソラシド」となるように弦を張ってみてはいかがでしょう。結構楽しか
ったりします。
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
徳島県立博物館のその他の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
http://www.museum.comet.go.jp/
━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ホームページ update情報
落書き帖第136号
音楽史/Oxford/第2部/14世紀のアルス・ノヴァ/アルス・ノヴァ
音楽史/Pelican/第一巻/西洋以外の音楽/アラビア世界/
スペインのムスリムとヨーロッパへの音楽遺産
トルコ音楽の勃興と近代・現代の傾向
数学史/Smith/第五章/東方キリスト教/
エジプトとコンスタンチノープル
アレクサンドリアの衰退・カイロ学派
数学史/Smith/第五章/スペイン/西洋の東洋文明
語学/ロシア文学/Д.И.フォンヴィージン/
スコチーニン・エメレーエヴナ
語学/ロシア語/初級コース/lesson26
MySouda--惣田正明のホームページ
http://www004.upp.so-net.ne.jp/mysouda/
惣田正明のホームページ
[総合版] http://homepage1.nifty.com/m-souda/
[SIMPLE版] http://www004.upp.so-net.ne.jp/mysouda/index1.htm
[アニメGIF版] http://www004.upp.so-net.ne.jp/mysouda/welcomea.htm
[MIDI版] http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/indexm.htm
[AIHARA Hiroaki's Page]
http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/
JavaScriptや DHTMLに対応していないブラウザをご使用の方、あるいは
重くて仕方のない方は、[SIMPLE版]をご覧ください。
━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
9月から、Justnetが so-netと統合されましたので、Justnetのサイトに
アップしてあるホームページの方を so-netに移動しました。2004年3月
までは、Justnetのホームページも見られるそうですので、しばらくの間、
両方のサーバにアップするつもりです。
Justnetは、1996年からですので何となく名残惜しい感じがします。
MySouda--惣田正明のホームページ
http://www004.upp.so-net.ne.jp/mysouda/
今後ともよろしくお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[MUSICA MUNDANA]━━
==================== * MUSICA MUNDANA * ====================
■発行人:文責:相原寛彰 ■発行:相原基礎学習所
======================================================
====================================================================
Copyright 2001.SOUDA Masaaki(AIHARA Hiroaki) All rights reserved.
====================================================================
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[MUSICA MUNDANA]━━
|