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MUSICA MUNDANA NO.19
Aug.30.2002
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◆ 目次 ◆
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◎ 音楽史
ギリシア--ギリシア初期音楽理論
◎ 数学史
ギリシア--ミレトス
◎ Homepage Updated (Aug.30.2002)
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◎ 随想
◎ あとがき
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━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ギリシア--ギリシア初期音楽理論◆
ギリシア音楽の基礎といえば、当然のことですがテトラコードです。初
期のフォルミンクスは、まさに4弦(テトラコルドン)でありました。
最も古いフォルミンクスの音域が完全4度であったのか、間の弦はどの
ように調弦されていたのか全くわからないのですが、少なくともBC7
世紀初めまでには、テトラコードは確実に完全4度と定義されていたよ
うです。
4つの音は必然的に3つの音程を定めます。弦は、二つの全音(ピタゴ
ラスの音は8:9の比率)とレイムマ(4度から2つの全音を引いた後
の残りの「半音」)という音程を決めるよう調弦されました。これは、
全音階(ダイアトニック)のゲノスと呼ばれ、最も一般的なもので3つ
の音程は、上から全音、全音、レイムマということになります。レイム
マは、実際は、西洋の音階の半音より小さな音程になるそうです。
テトラコードは、レイムマの位置によって更に3つに分類されました。
全音階のゲノスでは、全音-全音-レイムマ(ドリア旋法)、全音-レイ
ムマ-全音(フリギア旋法)、レイムマ-全音-全音(リディア旋法)と
いう主旋法が形成されます。それぞれの主旋法には、副旋法がありまし
た。
同じ2つのテトラコードを全音で結びつけると、完全なオクターヴ音階
ができあがることにお気づきでしょうか。現代の鍵盤音楽の白鍵上のオ
クターヴ音階は、こうしたテトラコード(分離型全音階のテトラコード)
によって、まさしく成り立っているのです。ただ、ギリシアのそれは、
平均律ではありませんし、ギリシア人にとっては、それは音階ではなく
メロス(旋律)が動くように定められた点であったのですが。
━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ギリシア--ミレトス◆
ギリシア数学の始まりはミレトスでありました。ヘロドトス(BC484年頃
から BC425年頃)やストラボン(BC66年頃-AD24年頃)によって、イオニア
同盟を形成している12の都市の中で最大の商業都市であって、アテネ
の植民地であったと言われています。
アテネの植民地であったかどうかは疑問の余地があるのですが、ミレト
スは小アジア沿岸の戦略的位置にあって、植民地化の中心となっていき
ました。BC7世紀には、黒海及び地中海沿岸に90もの都市を建設して
います。
商業算術が最初に大発展を遂げるのもここででした。BC7世紀に、西洋
で初めて貨幣が鋳造されますが、それはミレトスのちょうど隣にあるリ
ディアにおいてでした。この発明は、商業算術の発展に大きな影響を及
ぼしたはずです。
こうしたことから、ギリシア人の間での注目すべき商業算術の始まりの
時と場所について、かなり正しい判断が下せるでしょう。すなわち、BC
7世紀頃、小アジア沿岸。
この頃は、ギリシアの数の学問、算術(アリスメティック)は、まだ発
明されていませんでした。計算の技術だけが実用のために用いられてい
て、それは「ロジスティック」と呼ばれていました。ギリシアの伝承に
よれば、フェニキアに由来するといわれています。しかし、数の神秘主
義のような知識は、それよりずっと以前からギリシアの祭司階級には、
獲得されていたようではあります。
ギリシアの商人の間で、広くロジスティックが用いられるようになって
いたにも関わらず、これについて一つの論文も残されていません。大英
博物館に保存されているかけ算の表の他は、アバカス(計算板)と足し
算、引き算、かけ算のわずかな例だけしか、ギリシア人が実際に行った
計算については残されていません。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これまで何度となく書いてきたのですが、ギリシアでアリトメーティコ
ス(αριθμητικοs=arithmetic=算術)といえば、数の理論のこ
とを言います。今回、数学史の中でも書きましたように、ギリシアでは
計算法は「ロギスティコス(λογιστικοs=logistic=ロジステ
ィック)」と呼ばれていました。
「ロギスティコス」は、ミレトスやコリントの交易商人の間では重要視さ
れたようで、その学校があったことがヘロドトスなどによって語られて
います。「ロギスティコス」は、商業交易のための技術、少し前の計算
尺やそろばん、タイプライター、現代で言えばパソコンの操作技術のよ
うな技術と同じようなものと見なされていたようです。
少し後の時代になりますと、これは非常に好まれるようになったようで、
プラトンは、「どの子供もアルファベットを学ぶのと同じくらい、すべ
ての自由市民がこの分野の知識を学ぶべきであると、私は考えている。」
と語っています。
基本的には「読み書きそろばん」の「そろばん」のすすめという感じの
言葉ですね。アカデメイアの入り口には「幾何学を知らざる者入るべか
らず」と書かれていたということを思い出しても、プラトンが数学をい
かに重要視していたかが見て取れます。
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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◇ミュージアムトーク「古代のわざ」
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工人たちはいにしえの時代から,その作品に持てる技術のすべてを注ぎ
込み,多くのものをつくりだしてきました。古代の工人たちの「わざ」
にスポットをあて,縄文土器や銅鐸など,残された遺物に隠された優れ
た製作技術について,科学的な調査の成果などをまじえて簡単に紹介し
ます。
○日 時 9月14日(土)13:30〜15:00
○場 所 徳島県立博物館講座室
徳島県立博物館のその他の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
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━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
台風15号の影響でしょうか、雨が降ったりやんだりしています。
暑かった夏も、いよいよ終わりが近づいてきた気がしないでもありませ
んが、まだまだこれからしばらくは暑い日があるかもしれませんね。
世界では、ヨーロッパや中国での洪水はすごいものがありますね。地球
温暖化によると思われる異常気象は、これからも絶えることがないかも
知れません。
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■発行人:文責:相原寛彰 ■発行:相原基礎学習所
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