━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「MUSICA MUNDANA No.14」をお届けします。
[MUSICA MUNDANA]の情報は惣田正明のホームページに載せてあります。
( http://www3.justnet.ne.jp/~m-souda/ )
何かありましたら、ここに連絡ください。
( vem13077@nifty.ne.jp )
登録(申し込み)解除はこちらです。
( http://www3.justnet.ne.jp/~m-souda/home/home.htm#toroku1 )
━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■■■■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■■■■■■
MUSICA MUNDANA NO.14
Mar.30.2002
■■■■■■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■■■■■■
━━[MUSICA MUNDANA]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 目次 ◆
----------------------------------------------------------------
◎ 音楽史
ギリシア--ホメロスの音楽(その2)
◎ 数学史
中国
◎ Homepage Updated (Mar.30.2002)
----------------------------------------------------------------
◎ 随想
◎ あとがき
----------------------------------------------------------------
━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ギリシア--ホメロスの音楽(その2)◆
ホメロスに出てくるもう一つの楽器は、サルピンクス、つまりトランペ
ット(ラッパ)です。これは、大音響の喩えとして用いられています。
アキレウスの叫び(イーリアス第18歌)は、サルピンクスのようであ
ったし、神々が諍いをおこした時(第21歌)、大天空はサルピンクス
を吹き鳴らすように鳴り響いた。時代的には後のものですが、花瓶に描
かれた絵には、ベルのついたとても細長い管のように描かれています。
私たちは、このようにホメロスの中で音楽が奏でられたことを読んで知
っているのですが、その音楽がどのようなものであったかは、全くわか
りません。しかし、ホメロスの「イーリアス」や「オデュッセウス」を
吟遊詩人たちが歌った音楽(朗詠)については、いくつか推論すること
ができます。
ホメロスの詩句の中には、非常に多くの数の決まり文句が織り込まれて
いることから、それに合わせて歌われた旋律線も、必ずしも特定の言葉
が旋律の定型とつながっているとは限りませんが、多くの定型の旋律を
含んでいたと考えても不合理なことではないでしょう。恐らく、それら
は狭い音域のものであって、初期のほとんど長さの等しい4弦のフォル
ミンクスでも容易に伴奏できたでしょう。
こうした仮説は、定型の旋律による曲が、ずっと後の地中海や西アジア
地域で普通に行われていたこと、きわめて限られた音域というのは、ロ
シアのブィリーナのような現代にまで伝わる、歌を伴う叙事詩の音楽を
特徴づけているという事実から支持されています。もちろん、確定して
いるわけではありません。
━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆中国◆
さて、今回から中国ですが、最近の中国古代の考古学の発見はめざまし
いものがありますね。ただ、数学史に関連するようなまとまった研究は
まだこれからなのではないでしょうか。
伝承によれば、中国最初の皇帝、伏義の時代に広く天文観測がなされた
ということです。また、黄帝は、天文学や算術について著述するほど数
学に関心があったと言われていますし、彼の統治時代に日蝕が観測され
ています。十進法の数の数え方も、この時代に始まったという伝承もあ
ります。堯の治世には、和と義が天文観測をしたとも言われています。
古代起源の書物の中で、面白いのは「易経」でしょう。この書では、両
易、すなわち、陰(--)と陽(ー)二つの原理が現れ、この二つから四象が
ー -- ー --
ー ー -- --
作られます。
また、陰陽を一度に三つ組み合わせて八卦が作られます。この八卦には
いろいろな意味が付け加えられて、古代から現代に至るまで占いで用い
られていることはご存じでしょう。
日本人で八卦を知らない人はいないと思いますが、この八卦、ーを1、
--を0と考えると、この連続した八卦は、右から数えて、現代の二進法
の数記法で、000,001,010,011,100,101,110,111 で表される数値を持つ
ことにお気づきでしょうか。中国人(日本人も含めて)が二進法に基づ
く数詞と八卦を見なしていたという歴史的根拠は全くありませんが。
| | | | ー | -- | ー | -- | ー | -- | ー | -- |
| | | | ー | ー | -- | -- | ー | ー | -- | -- |
| | | | ー | ー | ー | ー | -- | -- | -- | -- |
| | | | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
アキレウスは、アキレスではないのですかという疑問を抱いた人がおら
れるようですので、今回は、固有名詞の表記について少しお話します。
日本では、どういう訳か固有名詞の表記は原音主義(?)ともいうべき
ものを採用していますね。私も、一応これに従って固有名詞を表記しよ
うと心がけています。とは言っても、私自身、ギリシア語読みとラテン
語読みとを混同してしまったり、全く知らない言語の場合、ローマ字読
みにしたりすることもあるのですが。
ホメロスの作品は、ギリシアの叙事詩ですので、固有名詞の表記は、ギ
リシア語読みを基本としています。アキレウスの場合、ギリシア語では、
Αχιλλευsで、「アキレウス」とするのが一番近いでしょう。ラ
テン語になりますと、Achillesでアキレースとなりますね。Achilleus
という単語もありますが、これは形容詞で「アキレスの」という意味で
す。
日本語では、アキレウスよりアキレスの方が一般的な感じがしないわけ
ではありませんが、そういう理由からアキレウスとしています。
他の言語を見てみますと、最も一般的なものは英語の Achillesですが、
これは「アキリーズ」と発音するようですね。フランス語では、Achille
「アシル」、ドイツ語では、Achilles「アヒレス」ですね。ついでに、
ロシア語では、Ахиллес「アヒレース」、中国語では、阿基里斯
a-ji-li-si(声調は 1-1-3-1)で「アチリス」でしょうか。
ヨーロッパ人は、意外に自国語の発音にこだわるようで、Miami(マイア
ミ)をイタリア人は「ミアーミ」と言ってゆずらなかったという話をど
こかで読んだことがありますので、あまりこだわる必要はないかも知れ
ません。
ただ、ホメロス(ギリシア語読み)をホーマー(英語読み)ならまだし
も、ガメール(ロシア語読み)といわれると、恐らくわかる人はいない
のではないでしょうか。
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4月8日(月) 釈尊降誕会(花まつり) 午前9時〜夕方
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
花まつりコンサート 「春の吟遊詩人」
4月8日(月) 午後7時開演 入場料:前売り3000円/当日3300円
チェンバロ演奏: 武久源造 ほか 於明治寺本堂
〜幼い難民を考える会を通じ、収益をカンボジアの子どものために使います〜
http://www.evam.ne.jp/meijidera/index.html
徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
http://www.museum.comet.go.jp/
━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ホームページ update情報
落書き帖第130号
音楽史/Oxford/第2部/原(十二世紀)ルネサンスの音楽/
モテットの発展
音楽史/Pelican/第一巻/西洋以外の音楽/ユダヤ/
遊牧時代(BC3000年紀--BC2000年紀)・パレスチナの諸王と
最初の(ソロモンの)神殿(BC11世紀--BC6世紀)]
数学史/Smith/第五章/インド/
マハーヴィーラ・マハーヴィーラの資料・マハーヴィーラの著作
マハーヴィーラの面積の扱い・バクシャリ写本
語学/ロシア文学/18世紀後期の文学/
政治的社会的状況・諷刺新聞雑誌
語学/ロシア語/初級コース/lesson20
MySouda--惣田正明のホームページ
http://www3.justnet.ne.jp/~m-souda/
惣田正明のホームページ
[総合版] http://homepage1.nifty.com/m-souda/
[SIMPLE版] http://www3.justnet.ne.jp/~m-souda/index1.htm
[アニメGIF版] http://www3.justnet.ne.jp/~m-souda/welcomea.htm
[MIDI版] http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/indexm.htm
[AIHARA Hiroaki's Page]
http://www2m.biglobe.ne.jp/~m-souda/
JavaScriptや DHTMLに対応していないブラウザをご使用の方、あるいは
重くて仕方のない方は、[SIMPLE版]をご覧ください。
━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
桜の開花が全国至る所で観測史上最も早いというニュースが伝えられて
いますが、満開も同じようにはやいですね。当然、散るのも早いのでし
ょう。
こちらでは、開花は一日遅れの史上二位だったそうですが、近くの桜は
もう満開です。花見といった優雅な気分にはなれませんが、桜が満開の
そばを通り過ぎるだけで、春だなという気分にはなります。
別れと出会いの季節、新しい年度の始まり。また、いろんなことが起こ
るのでしょう、きっと。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[MUSICA MUNDANA]━━
==================== * MUSICA MUNDANA * ====================
■発行人:文責:相原寛彰 ■発行:相原基礎学習所
======================================================
====================================================================
Copyright 2001.SOUDA Masaaki(AIHARA Hiroaki) All rights reserved.
====================================================================
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[MUSICA MUNDANA]━━
|