「MUSICA MUNDANA No.3」をお届けします。
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MUSICA MUNDANA NO.03
Apr.30.2001
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◆ 目次 ◆
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◎ 音楽史
シュメール
◎ 数学史
数の数え方(その3)
◎ Homepage Updated (Apr.30.2001)
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◎ 随想
◎ あとがき
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━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆シュメール◆
最近の考古学の発展はめざましく、世界中でいろいろな古代文明の発
見がなされていますが、研究の蓄積という点では、四大文明、特に、
メソポタミアとエジプトが一番進んでいるのではないでしょうか。
一般に、最も古い文明の揺籃の地と言われているのが、メソポタミア
のシュメールですね。この文明は、中近東や東地中海の文明の基礎と
なり、これから、後にギリシアやヘブライ、初期キリスト教の音楽や
美術が発達してきたと言うことができるでしょう。
ヨーロッパの音楽の歴史を考えると、シュメールを最初に取り上げる
のは、極めて合理的であるように思えます。
さて、この時代の資料を考えてみますと、美術品や文書資料といった
二次的な資料しかありません。前回にも書きましたように、音楽は残
っていません。音楽を記譜したものではないかとの研究もされたよう
ですが、今のところ徒労に終わっています。
しかし、音楽の場面を描いた絵画的表現や実物の楽器の遺物が残され
ており、貴重な研究資料として役立っています。
最も古い楽器の絵は、紀元前3000年頃のシュメールの粘土板に書
かれたハープの絵で、三弦の丸形ハープです。
最も注目するべきものは、ウルの王墓で発掘された楽器類です。大英
博物館にある「ブ・アビ(シュプ・アド)の女王のハープ」は、以前
はリラと間違えて修復されたのですが、11弦あって、かなり複雑に
なってきています。
リラは、弦が共鳴箱とアームで支えられた横木との間に張られる点が
ハープとは異なっているのですが、初期のものは、共鳴箱が雄牛のよ
うな形をしているのが特徴的で、疑いなく宗教的な意味合いがあった
でしょう。後には様式化されますが、雄牛の頭は共鳴箱の装飾として
残されます。
━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆数の数え方(その3)◆
、
数を数えるのに片手を使うようになると、両手を使うというのはすぐ
に思いつくことでしょう。実際に、6進法から9進法までは、ほとん
ど痕跡は残っていません。(ないわけではありませんが)両手の指を
使って10進法を作り、更に、手足の指を使って20進法を生み出し
たのは自然なことのように思われます。
その中で、10進法が広く採用された理由は、数字を書くときに少し
の数字で事足りたということがあげられます。それだけを考えると、
8進法でも12進法でもいいのですが、やはり、手の指が10本であ
ったというのが、一番重要な理由でしょう。人間の両手の指が12本
だったとしたら、恐らく人類は12進法を用いていたことでしょう。
12進法について言えば、世界の様々な地域で、先史時代好まれてい
たと信ずる理由があります。主として、度量衡の関係です。12進法
は、一年の月期(lunation)の数で決められたと考えることもできます
が、疑いないことは、2,3,4,6といった数で割り切れ、単位分
数を扱いやすい数字であったからでしょう。
いずれにしても、12進法は、数の性質について、かなりの知識が蓄
積されてから用いられたものと思われます。
16進法は、コンピュータで用いられていますが、人類の歴史的には
用いられたことはあまりなさそうです。数えるのが大変ですし、書く
のも大変でしょう。コンピュータは、基本的に2進法ですから、8進
法とか16進法は扱いやすいのでしょうが、こんなところが機械と人
間の違うところでしょうか。
イギリスでは、30年ほど前まで、1ポンド=20シリング、1シリ
ング=12ペンスでしたね。英語を覚えるのに苦労した人もいるでし
ょう。今は10進法になって、幾分楽になりましたが。重さは、今、
1パウンド=16オンスでしたかしら。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
数学は何の役に立つのでしょうか。よく耳にする質問です。
私はよく数学はすべての学問の基礎であるとよく言いますが、あまり
理解されていないのではないかという気がしています。数学という学
問(というより教科)には、いろんなものが含まれています。それを
きちんと区別しないといけません。
普通一般の人が、暮らしていく上では、数学というほどのものは、あ
まり必要ないかも知れません。それこそ、四則計算ができれば、生活
に困るということはないと思います。別に、これがすべての学問の基
礎というわけでもないでしょう。数学の基礎ではあると思いますが。
整数論のようなものはどうでしょう。これは、数字の不思議、数学的
神秘主義につながるものでしょう。いわば知的好奇心を刺激するもの
といってもよいのではないでしょうか。これは、学問の始まりである
かも知れません。
しかし、私が考えているのは、そうしたものではありません。いつも
言っていることですが、数学という学問は、抽象化された最も純粋な
論理の世界を扱っているということです。そうした論理、言い換えれ
ば考え方を学び訓練するのが、数学だと言うことです。
プラトンは、幾何学を重要視しました。それは、何よりも幾何学的論
理を大切にしたということです。その考え方を基本としたということ
です。正しく考えることの基本、論理的に考えるために最もよい訓練
法は、幾何学を学ぶことであったのです。
新しい数学が出てくるということは、新しい考え方が出てくるという
ことです。新しい考え方が出てくれば、新しい学問も生まれてくるで
しょう。数学が、すべての学問の基礎であるというのは、そういうこ
とを言っているのです。
科学の基礎といっているだけではありません。文科系を含めたすべて
の学問の基礎だといっているのです。文学、詩や音楽も、学問的に扱
うときにも、そうした考え方は必要になってくると思います。(ただ
高等数学は必要ないかも知れませんが)
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5月20日 第21回 DoCoMoコンサート
ウィーン・フィルのトップ奏者による
オペラ&オペレッタ・ファンタジー
場所 コスモホール(羽ノ浦町情報文化センター)
http://www.town.hanoura.tokushima.jp/hanoura.html
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◇博物館友の会関連行事「博物館子どもの日フェスティバル」
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○日 時 5月5日(土)9:30〜16:00
○場 所 県立博物館を中心として文化の森総合公園内一帯
徳島県立博物館の催し物情報は、以下のサイトをご覧ください。
http://www.museum.comet.go.jp/
━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ホームページ update情報
落書き帖第119号
音楽史/Oxford/第2部/ポリフォニーの始まり/最も初期のトルバドール
音楽史/Pelican/第一巻/西洋以外の音楽/日本/現代の形式と西洋の影響
数学史/Smith/第四章/アポロニウスとその後継者たち/
ヒュプシクレス・ヒッパルコス・ローマの数学・ゲミノス
語学/ロシア文学史/イーゴリ軍記/
「イーゴリ軍記」の本質的な価値・「イーゴリ軍記」の根本的な思想
語学/ロシア語/初級文法/lesson 18
A letter from Japan/letter 25
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
野良仕事の季節になってきました。昨日は、草刈りをし、乾燥させて草
を焼きました。まだ、周囲が田圃なので安心して焼けますが、私の知り
合いのお寺さん(東京都内)は、落ち葉(秋の話)を焼いても近所から
苦情が出るということを聞きました。
都会では、いろいろと難しい問題もあるんですね。私のところも、あん
まり都市化して欲しいとは思いませんが、どうでしょう。
私にとって、これからは、草が大変です。草は実によく伸びます。抜い
ても抜いても生えてくる。除草剤という手もあるのですが、狭い土地で
すので、庭などではできるだけ使わないようにと思ったりしています。
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■発行人:文責:相原寛彰 ■発行:相原基礎学習所
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