「MUSICA MUNDANA No.1(創刊号)」をお届けします。
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MUSICA MUNDANA NO.01
Feb.28.2001
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◆ 目次 ◆
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◎ 創刊の挨拶
◎ 音楽史
音楽の起源
◎ 数学史
数の数え方
◎ Homepage Updated (Feb.28.2001)
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◎ 随想
◎ あとがき
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━━[創刊の挨拶]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[MUSICA MUNDANA]を購読して頂いてありがとうございます。
これまで二年間、[MUSICA MUNDANA]を一部の人たちに配布してきたの
ですが、今回、一般の人たちにも読んでもらおうと思いまして、内容
も改めて、発行することにしました。
基本的には、古代から中世、ルネサンスまでの音楽史と初等数学史に
ついてのマガジンです。
音楽と数学という取り合わせを奇異に思われる方もいるかも知れませ
んが、西洋の歴史を考えてみますと、この二つは切っても切れない関
係にあります。
古代には、音程あるいは音階は、弦の長さの比で決められました。笛
の場合は、管の長さの比でしょうか。いずれにしろ、数学とは縁が深
いのです。ピタゴラスとか、中国の伶倫とかは、そうやって音階を得
ています。
現代では、音は空気の振動であるという風に考えられていると思いま
す。音の高さは、振動数で決まります。こちらでは絶対的な音の高さ
を表すこともできますね。
と言うわけで、この二つは極めて密接な関係があるのです。
また、音楽は宇宙と直接つながる世界であるとも考えられていました。
こうしたことについては、このマガジンの随想のところで述べてみた
いと思います。
それでは、今後ともよろしくお願いします。
━━[音楽史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆音楽の起源◆
古代では、ほとんどすべての民族において、音楽は超自然的な起源
を持っています。音楽とは、神々から人間に授けられたものであり、
歌を歌う人は予言者で、多くの神話では、音楽は魔力を持つものでし
た。
高度な古代文明では、神々の一人を音楽の創始者とみなしています。
代表的なものといえば、やはりギリシア神話のアポロンでしょうか。
近代に入ると、実に様々な起源説が唱えられるようになります。ルソ
ーやヘルダーなどの「言語起源説」、ヴントの「感情起源説」、ダー
ウィンの「恋愛起源説」、さらにエンゲルスの「労働起源説」などで
す。
ただ、現代では、音楽の起源については、確かなことはわからないと
いうのが、本当のところでしょうが、抑揚をつけて言葉を唱えること
から始まったとする「言語起源的」な様式と、形にとらわれず感情を
ほとばしらせる「感情起源的」な様式が、互いに混じり合い、それが
より高度に洗練された「旋律起源的」な様式に発展していくことで、
音楽が成立したとする、クルト・ザックスの説が、最も客観的なもの
としてで受け入れられているようです。
━━[数学史]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆数の数え方◆
数の数え方を考える前に、人間は数をどのように認識しているのか
考えて見ることにしましょう。
最も単純な数の認識というのは、相手が一人であるか二人以上である
かという認識だと思いますが、ものが単数であるか複数であるかの認
識は、動物でもしているのではないかと思えます。複数の子供を産む
動物の中には、明らかに子供の数を認識しているように思えるものが
ありますよね。
そう考えると、数の認識は、言語より先ではないかと思われます。日
本語では、基本的な文法の中に、単数複数の区別はありませんが、認
識できていないわけではないでしょう。
従って、数を表す言葉を特に持たない民族でも、数が数えられないわ
けではありません。例えば、ある未開の民族は、数を表す言葉は「一
つ」「二つ」しかないそうですが、数を二つしか認識できないのでは
なく、ものを指さしながら、「そしてこれ」「そしてこれ」という言
葉を繰り返すことで、10まで数えることができたということです。
言語の数詞から数の数え方を考えてみるのは面白いことですね。クィ
ーンズランドのある原住民は、「1,2,2と1,2が二つ、たくさ
ん」と数えるそうですし、アフリカのピグミーは、「1,2,2と1,
2と2,2と2と1,2と2と2」と数えるそうです。これらの言語
では、2が底として用いられていることはおわかりでしょうか。英語
でも、bracesや couples、pairsなどで数えるのは、そうした数え方で
すね。
━━[随想]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
音楽と数学、この奇妙な取り合わせに奇異な感じを抱く人も多いかも知
れません。音楽とは、感性そのものであり、数学とは論理そのもののよ
うに見えるからですが、まさにその故に、私は注目をしているのです。
人間の精神活動の中で、世界の共通語とよく言われるものが、音楽と数
学であるということに気づいた方はおられますでしょうか。音楽は、感
性そのものであるから、数学は論理そのものであるから、世界中の人々
が同様に理解し合えるものであるという考えです。(勿論、音楽も数学
もユニバーサルなものでないと言う人もいます。いずれも、音楽と数学
という言語を学ばないと理解できないからというのが理由ですが。)
それ以外の精神活動を考えて見ましょう。例えば、文学を取り上げてみ
ましょう。文学は言語で書かれています。従って、その言語の理解でき
ない人にとっては、文学は当然理解はできません。
でも、音楽は違います。言葉がわからなくても、音楽は理解できること
があることは言わなくてもわかるでしょう。文化の伝統の違いによる好
みの問題はさておき。数学も同じです。数式で組み立てられた論理は、
世界の人々の共通語でしょう。
私が、音楽と数学に注目したのは、まさにこの点です。
さらに、人間の精神活動を大きく、感性と悟性と理性に分ける考え方が
あることはご存じでしょう。その感性の純粋体が音楽であり、理性の働
きの純粋な形が数学であるともいえるでしょう。
悟性の働きは、主に言語の働きとみなされますが、言語は感性と理性と
の間の幅広い活動が可能です。言語を使った精神活動で、感性を最も必
要とするのは、詩でしょう。そして、理性を最大限に用いるのが、論理
学であり哲学と言うことができるのではないでしょうか。
詩は音楽とつながり、哲学は数学とつながります。
私が、音楽と数学を取り上げる第二の理由がここにあります。
━━[催し物情報]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
何か、お知らせしたい催し物がありましたら、ご連絡ください。ここに
掲載させていただきます。
発行日は、毎月月末あるいは1日の予定にしていますので、それまでに
ご連絡ください。
━━[Homepage Updated]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━[あとがき]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[MUSICA MUNDANA]創刊号が出せて、ほっとしているところです。
以前に出していたものとは、随分趣が違うとお感じになられた方もいる
かと思いますが、こうした文体で書いていきたいと思います。
これまで書いてきたものを多少書き直さなければならないのですが、そ
うすることで新たな理解が生まれたりしますので、私にとっては結構役
立ちます。
何か、ご意見ございましたら、ご遠慮なくメールをください。
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■発行人:文責:相原寛彰 ■発行:相原基礎学習所
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