初等数学史82

 さて、今回は、メナエクモスとクセノクラテスを取り上げましょう。

 メナエクモスは、エウドクソスの弟子で、プラトンの友人でもありました。円錐を最初に取り扱ったのは、恐らく彼であろうと考えられています。アレクサンダー大王は、メナエクモスの弟子で、幾何学をもっと簡単に学ぶ方法はないかと尋ねたとき、メナエクモスは、「王様、国中に私道や公道がありますが、幾何学には唯一の道しかありません。」と答えたと言われています。

 クセノクラテスは、カルケドンの生まれで、プラトンとアリストテレスの友人、哲学者としても外交官としても卓越した人物でありました。哲学や政体についての様々な著作に加え、物理学、幾何学、算術、天文学についても著述しました。

 プルタルコス(一世紀)は、私たちに、クセノクラテスは魂を「自ら運動する数と捉え、単一性(unity)と二元性(dualty)とを神格化した。」と語っています。単一性は、父なるゼウスとして最初の男性の存在であり、奇数であり精神であって天を支配し、二元性は、神々の母である最初の女性、そして全世界を支配する宇宙の魂であると語っています。この理論は、すべてピタゴラスの影響が見られます。彼は、スペウシッポスのあとを継いで、アカデメイアの学頭となり、五巻に及ぶ幾何学の歴史を書いたそうですが、他の著作と同様、失われてしまいました。

 

難読漢字101

「泥鰌(ドジョウ)」「竹瓮(タッペ)」「軒竝=軒並(ノキナミ)」「酢莖(スグキ)」です。

 今回も、稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』(三省堂)から「冬、十二月」です。

「木菟―梟と同属であるが、羽毛が耳のように頭の両側にある点が異なっている。目はまるく大きく、夜間活動するのは梟と同様である。

 木菟鳴かぬ夜は淋しと杣の云う 廣澤米城」

「虎落笛―冬の烈風が柵、竹垣などに吹きつけて笛のような音を発するのをいう。その時時の状況によって、強弱高低があり、ときに細く鋭い。

 虎落笛眠に落ちる子供かな   高浜虚子」

「鼬罠匂い残さず仕掛置く    楠 昭雄」

から「木菟」「杣」「虎落笛」「鼬罠」を取り上げます。

 前回「秋、十一月」となっていたようですが、当然「冬、十一月」です。お詫びします。

やさしくない英語97

『 FLYING out to the South of France to interview Graham Greene in the summer of 1988, Graham Lord, Literary Editor of the Sunday Express, found that Greene had booked him into a hotel in Antibes; but because a friend, Julian("Jules") Lewis, had decided to come with him, they cancelled the booking in order to stay instead at Jules's favourite hotel, the Auberge du Columbier in Roquefort-les-Pins.』

 今回も、『The New Cambridge English Course 4』からです。
 1989年の『Observer』誌からのようです。単語をいきましょう。

 Literary Editor=文芸編集者、book=予約する、ぐらいですか。あとフランス語がありますが、読み方だけですので。

 訳しておきましょう。

「『サンデー・エクスプレス』誌の文芸編集者のグラハム・ロードは、1988年の夏、グラハム・グリーンのインタヴューのために、フランス南部に飛行機で行った時、グリーンが彼にアンティーブのホテルを予約してあることを知った。しかし、友人のジュリアン(「ジュール」)ルイスが、一緒に行くことに決めたので、その予約をキャンセルし、代わりに、ジュールのお気に入りのホテル、ロケフォール・レ・パンのオベルジュ・デュ・コロンビエールに泊まることにした。」

 

 

 

 

  
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